埼玉協同病院

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いのちの章典

埼玉協同病院の看護部では、入職2年目に全国の医療生協の活動の指針となっている「いのちの章典」を1年間かけて学ぶ取り組みをしています。その中に「参加と協同」というテーマが掲げられています。いかに看護の現場に活かしていくか。その実践を主任看護師の熊木さん、看護長の山梨さん、そして2年目看護師の戸田さんと吉田さんにお聞きしました。

看護部長からの講義「いのちの章典」

熊木:私は、毎年入職2年目研修の一環として「いのちの章典」を看護の実践に生かせるように1年間の研修を組み立てています。今年は5月に見川看護部長から「いのちの章典」の講義をしていただいた後に、日頃の実践を「いのちの章典」の視点で深めながらグループワークをしました。6月は高齢者や地域の視点を学ぶ、9月は自分たちの中間振り返り、3月はみんなが研修発表会でまとめ、そのあともう1回最後にチェックリストでチェックします。指導者は毎月研修生と チェックリストをもとに確認しあっています。指導者会議の中でも毎月各部門の進捗、研修生の成長度合を報告し合っています。中堅看護師自身もなかなか理念教育を考える機会が少ないので指導者としても意識できる場になっていると思います。

吉田:今までは、最初の1回と1年後に振り返っていたのですが、なかなか実践に結びつかないので、今年は毎月振り返って評価してきました。理念教育ってすごく難しくてなかなか根づかないんですが、最近は看護部や病院の理念が意識づけされていて、先輩たちの普段の看護が非常に密接していることを改めて学ぶことができています。

熊木:夏から秋に4回、半日をかけて地域に出かけます。訪問看護の日や往診日に同行して、患者さんやご家族のおうちでの生活状況などの実際を見せて頂きます。

吉田:卒業2年目の研修は2本柱で「いのちの章典」と、もう一つはフィールドワーク研修です。地域で生活する人を見てくるんですね。ここのつながりが大事で、どっちが重要ということではなく2本柱の研修を相互の関係で1年間行うことが目標になると思います。

熊木:特に1年目は、技術や普段の業務でいっぱいいっぱいになりがちなので、理念教育はなかなか難しいんです(笑)。2年目では技術を学ぶだけではなく、一人ひとりを尊重したり、人権を守りながらちゃんと暮らしていけることや、安心して医療を受けられることを考えていけるようなところに結びつけてほしいなと思っています。2年目に改めて去年1年間の「この時のこの事は、このテーマに結びつくんだ」っていうことを実感してもらうことを大事にしています。

広い視野での医療という学び

ーこの研修の内容を聞いたときはどうでした?

吉田:違和感などないです。こういう研修をしているってことは知っていたので。入職したのはその研修目当てというところもありました。技術だけではなくてその地域とのつながりとか地域医療にもともと興味があったので。社会の動きもそうですし、広い視野でどう医療を捉えていくかということが学べるところかなと思ったので。

戸田:協同病院以外でも友達が多いので話す機会もありますが、業務だけっていう教育が多いのか「地域に出る」というとほんとにビックリされました。地域との結びつきや社会から医療を学んでいく視点が広いなと思いました。実際に講義を受けて、フィールドワークで地域に行った時に、なぜ理念の教育をしかも看護部長さんがわざわざ最初にやったのかと考えて「いのちの章典を地域包括ケアから学ぶ」というタイトルを見てやっぱりつながっているんだなと思いました。

ー実際この1年間やってきてどうですか?

戸田:患者さんに対してすごく細かい部分でも説明しようという気持ちになりましたね。あとお恥ずかしい話なんですけど、今まで病院のマニュアルとかしっかり読んだことがなくて、チェック項目の中にもマニュアルを活用していますかとかあるんですよ。そのマニュアルを見直して、ここ出来てるかなと振り返る機会になりました。

吉田:私は1年目に比べて仕事に慣れてきて、できる早さとかは上がっていると思うのですが最初に教えてもらった患者さんへの関わり方とかがちょっと足りないかなと思うところがあります。毎月振り返るたびに基本的なところを思い出したりするので2年目にこのチェックリストがあるのはいいなと思っています。

戸田:研修の中で病院の外に出て「いのちの章典」がこんなにも実践されてるんだっていうのを自分で探しに行ったみたいな感じです。そして実感しました。

吉田:自己評価で点数が低いなと思うのは、最後のほうの「参加と協同」のところです。病棟勤務なので外部と関わりはあまりまだ実践できてないかなという感じです。

戸田:私も「参加と協同」のところなんです。一番最初にチェックしたときにほぼ全部できてなくて。ここは全部1だったんです(笑)。

吉田:でも病院内でもHPHの「すこ塩生活」や「ロコモ運動」の講師に行きます。口腔ケアとか介護者教室などに担当で参加すれば「参加と協同」になるんです。普段やっていることが結びついてるという理解が不十分なところもあって、みんなが業務の中で意識づけられれば、やれてること、やれることはたくさんあると思います。

確信を持てる看護であること

ー地域での学びを病院の中で、活かせそうなことはありますか。

吉田:回復期リハビリ病棟では療養支援会議を行っています。ほかの病棟より在宅に近いところにある病棟です。1年目はとにかく病棟での生活を情報提供するだけだったんですけれど、研修で実際にフィールドに出てサービスを話し合っ て、地域での療養がどうなのかなとか、病棟で足りなかった反省点も見えてきたので、今後のかかわり方などすごく勉強になりました。

戸田:同じ感想です。私は手術室で、手術前の患者さんに麻酔科外来で1対1でお話を聞いたりする場面がありました。手術後の家での生活にすごく不安な患者さんも多くおられるので、短い時間の中で退院後の生活を見越した、いろんな知識とか情報を提供できればという意識は高まったと思います。卒3でも、また地域に出てそのあたりを深め、知識と視野をもっともっと広げようと思います。

熊木:フィールドワーク研修で自宅へお伺いするんですけど、家で亡くなるのを希望している方もいますが病院を希望する人もいます。生き様だったり、自分の思いを貫く権利であったり、その人のお話を聞くことで、医療を提供するだけじゃなく、家で盆栽をやりながら人生終わりたいんだっていうご本人の希望をかなえる手助けをしていくことも大事だということがすごく学べています。研修の終了時のまとめを読ませてもらうと、こちらもすごく勉強になるような学びや体験をしてきてくれてるなって思ってます。

吉田:私も外部の研修に行き「2年目からそういうフィールドワーク研修をさせるんですか」ってどこに行ってもよく言われます。すばらしいですねって。私たちの看護に確信を持てますね。