平成29年度 埼玉協同 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 475 95 239 381 528 613 1,207 1,988 1358 359
・2017年4月1日から2018年3月31日までに退院した患者を10歳刻みの年齢区分別に集計しています。年齢は入院時の満年齢です。
・退院患者数は7,243人です。
・70代が半数以上(51.2%)で最も多く、80代、60代と続きます。
・0~10歳未満の475人のうち約65%は0~1歳で、新生児黄疸などの新生児期の病気や、RSウイルス細気管支炎など乳幼児がかかりやすい病気によるものです。
・20~30代の620人のうち467人が女性で、約75%と多くを占めていますが、そのうちの半分は妊娠・出産に関連する病気によるものです。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓・尿路の感染症 158 14.03 12.34 5.70 78.20
050130xx99000x 心不全 135 11.48 17.71 1.48 81.27
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 119 16.52 20.83 6.72 85.32
050050xx99100x 狭心症など 心臓カテーテル法による検査あり 118 3.12 3.03 2.54 71.63
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎 結石除去術など手術あり 102 9.06 10.61 0.00 72.75
・内科は3病棟(160床)あり、消化器・呼吸器・循環器・糖尿病を中心とした総合診療を行っており、研修医の研修病棟として位置づけています。
・退院患者数は4,090人で、全退院患者の56.5%と半数以上を占めています。平均年齢は71.1歳です。
・約5人に1人は救急車で搬送されています。
・1番多いのは「腎臓・尿路の感染症」で、3分の2が女性です。転院患者の多くは急性期治療後の療養継続のため、療養型病院に転院しています。
・2番目の「心不全」は心臓の機能が低下して十分な量の血液を送り出せなくなった状態のことです。約95%が65歳以上でした。
・3番目の「誤嚥性肺炎」は食事など(唾液も含む)が肺や気管支に入り炎症を起こす病気で、飲み込む機能が落ちることで起こります。平均年齢は約85歳と高齢です。転院患者は急性期治療後の療養継続目的の転院です。
・4番目の「狭心症など 心臓カテーテル法による検査あり」は心臓の血管に細い管(カテーテル)を入れて、狭くなった部分がないかを調べる検査です。約3日で退院しています。
・5番目の「胆管結石、胆管炎 結石除去術など手術あり」は内視鏡を用いて、胆管にある石を除いたり、胆汁の流れをよくするため金属の管を入れたりする処置を行っています。80代の入院が最も多いですが、10代から90代まで幅広い年代にわたっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 変形性股関節症の人工関節置換術等あり 265 21.80 23.14 0.38 64.83
070230xx01xxxx 変形性膝関節症の人工関節置換術等あり 169 32.82 25.09 2.37 73.77
160800xx01xxxx 股関節大腿近位(大腿骨の股関節に近い部分)の骨折 人工骨頭挿入術等あり 89 34.99 27.09 10.11 80.90
070343xx99x1x 脊柱管狭窄症のCT検査 50 2.18 2.93 2.00 71.58
160760xx97xx0x 前腕骨折の手術あり 42 3.21 5.21 0.00 58.14
・整形外科は変形性関節症に対する人工関節置換術、骨折や脊椎の手術を行っています。
・退院患者数は1,075人で、全退院患者の14.8%を占めています。
・1番目と2番目の変形性関節症(股関節・膝関節)に対して人工関節置換術を行った患者数は、整形外科退院患者の約4割を占めます。
・1番目の「変形性股関節症」の年齢層は30~80代で、最も多いのは60代で105人(39.6%)です。次いで70代、50代と続きます。
・2番目の「変形性膝関節症」の年齢層は50~80代で、最も多いのは70代で97人(57.4%)と全体の半数以上を占めています。
・3番目は「股関節大腿近位骨折の人工骨頭挿入術等」です。大腿近位は転倒や転落による骨折が多い部位です。骨粗鬆症など骨がもろくなっている高齢者に発生しやすく、当院でも70代以上が81人と全体の9割を占めています。転院例はすべて、自宅での生活に戻れるよう引き続きリハビリを行うことができる病院への転院です。
・4番目は「脊柱管狭窄症等のCT検査」です。造影剤を注入して脊柱管(背骨の中の神経の通り道)が狭くなっていないかを調べる検査です。9割以上の方は入院当日に検査を行い、翌日には退院となっています。
・5番目は「前腕骨折の手術」で、8歳から89歳まで幅広い年代にわたっています。9割以上の方は3日で退院となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎など 腹腔鏡下胆嚢摘出術等あり 69 6.77 7.40 0.00 60.22
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)あり 36 5.89 6.37 0.00 63.50
060150xx03xxxx 虫垂炎(虫垂周囲に膿瘍を伴わない) 虫垂切除術あり 30 4.47 5.56 0.00 37.40
060035xx01000x 結腸の悪性腫瘍 結腸切除術等あり 28 14.43 15.61 0.00 70.75
060150xx02xxxx 虫垂炎(虫垂周囲に膿瘍を伴うもの) 虫垂切除術あり 24 8.17 9.88 0.00 39.58
・外科は胃、肝臓、胆のう、膵臓、大腸、肺などの悪性腫瘍の手術や化学療法を行っています。
・退院患者数は1,049人で、全退院患者の14.5%を占めています。
・1番多い入院は「胆嚢炎など 腹腔鏡下胆嚢摘出術等あり」で、主に胆のうに石があることで生じた胆嚢炎に対して腹腔鏡を用いて摘出術を行ったものです。
・2番目は「乳房の悪性腫瘍 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)あり」です。女性特有の疾患で、当院では40代前半から80代後半まで幅広い年代の方の手術を行っています。
・3番目は「虫垂炎(虫垂周囲に膿瘍を伴わない) 虫垂切除術あり」です。全て腹腔鏡を用いた手術をしています。平均年齢は37.4歳と他の疾患と比べて若く、下は11歳から上は74歳まで行っています。
・4番目は「結腸の悪性腫瘍 結腸切除術等あり」です。28人中22人が腹腔鏡を用いた手術で、6人が開腹手術でした。平均在院日数は腹腔鏡手術が14日、開腹手術が16日でした。
・5番目は「虫垂炎(虫垂周囲に膿瘍を伴うもの) 虫垂切除術あり」です。虫垂周囲の膿瘍を伴っている為、3番目の虫垂周囲に膿瘍を伴わないものと比べ、4日ほど平均在院日数が長くなっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産の手術あり 73 1.70 2.43 0.00 33.00
120170xx99x0xx 切迫早産 手術なし 62 27.84 20.41 6.45 30.15
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等あり 59 9.85 9.91 0.00 46.03
120180xx01xxxx 帝王切開術(以前に帝王切開の経験がある場合) 52 9.15 9.75 0.00 32.02
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍の摘出術等あり 22 9.18 10.27 0.00 51.00
・産婦人科は、妊娠・出産、子宮や卵巣の手術などを行っています。
・退院患者数は528人で、全退院患者の7.3%を占めています。なお、この患者数は保険診療を行った人数であり、正常分娩など自費診療だけの患者は含まれていません。2017年度の分娩件数は487件でした。
・1番目に多い入院は「流産」です。在院日数は1~3日で、9割は入院後2日までに退院しています。
・2番目は「切迫早産」です。早産を防ぐため、入院して管理を行います。状態によっては入院期間が長引くこともあり、約4割が30日以上でした。近隣の周産期センターと連携し、未熟児など専門的な管理が必要な場合は速やかな転院につなげています。
・3番目は「子宮の良性腫瘍(子宮筋腫等)の手術」です。在院日数は3~19日で、術式により日数は変わります。
・4番目は「帝王切開術(以前に帝王切開の経験あり)」です。すべての方が術後7日以内に退院しています。
・5番目は「卵巣の良性腫瘍(卵巣のう腫など)の手術」です。 8割の方は入院して2日目までに手術を行い、術後1週間程度で退院しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 新生児黄疸など出生体重2500g以上の新生児疾患 83 5.34 6.18 4.82 0.00
040090xxxxxx0x 急性細気管支炎など 72 4.46 5.94 2.78 0.72
0400801199x00x 肺炎(ウイルス性を除く) 34 4.12 5.70 0.00 2.74
040070xxxxx0xx ウイルス性肺炎 32 4.00 6.03 0.00 2.09
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 32 3.84 5.50 0.00 4.47
・小児科は新生児疾患や感染症、アレルギー疾患が主な入院です。
・退院患者数は487人で、全退院患者の6.7%を占めています。在院日数は短く、約7割が5日以内に退院しています。
・小児科は15歳未満が対象ですが、当院小児科退院患者の約8割は3歳以下です。
・1番の多い入院は「新生児黄疸など出生体重2500g以上の新生児疾患」で新生児の黄疸や呼吸障害、感染症によるもので、小児科患者の約17%を占めています。専門的治療の必要があり、4人他院NICUに転院しています。
・2番目は「急性細気管支炎など」で、ほとんどがRSウイルスによる細気管支炎でした。
・3番目は「肺炎(ウイルス性を除く)」で、当院ではインフルエンザ菌やマイコプラズマといった病原菌による肺炎が多く見られました。
・4番目は「ウイルス性肺炎」で、RSウイルスやインフルエンザウイルスによる入院が多く見られました。
・5番目は「ウイルス性腸炎」で0歳から15歳まで幅広く入院していますが、半数は4歳以下でした。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 63 12 30 40 5 7 1:UICC TNM分類 第7版
大腸癌 24 24 59 54 5 23 1:UICC TNM分類 第7版
乳癌 45 31 10 4 0 2 1:UICC TNM分類 第7版
肺癌 20 8 23 28 1 4 1:UICC TNM分類 第7版
肝癌 4 13 5 8 3 27 1:UICC TNM分類 第7版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・日本で罹患・死亡数が多い5大癌(胃、大腸、乳房、肺、肝臓)の初発、再発の患者数を集計しています。
・初発はUICC(国際対がん連合)病期分類ごとに患者数を集計しています。
・UICC病期分類とは、国際的に用いられているもので、がんの進展度、拡がりの大きさにより分類します。StageⅠ~Ⅳで表されて、ⅠからⅣの順にがんが拡がっている状態を表します。
・当院の初発、再発の患者数を合計し、多い順で見ると大腸癌が189人、胃癌が157人、乳癌が92人、肺癌が84人、肝癌が60人となります。
・胃癌は、初発の内訳ではStageⅠが約4割と最も多く、そのうちの約6割が内視鏡的治療を行っています。次に多いStageⅣは、痛みのコントロールなど、緩和的治療での繰り返しの入院が多くなっています。
・大腸癌は、5大癌の中でも最も患者数が多くなっています。人数の多いStageⅢは、33人が開腹もしくは腹腔鏡下の切除術を行っています。StageⅣは43人が化学療法や緩和的治療のための入院でした。上のStage別の表にはありませんが、30人がStage0で一番がんの拡がりが小さい状態で、内視鏡的治療を行っています。
・乳癌は、52人が乳房切除術を行っています。内訳はStageⅠが31人、StageⅡが16人、StageⅢ以上が5人でした。化学療法での入院は31人でした。
・肺癌は、初発ではStageⅣが28人と最も多くなっています。StageⅣは化学療法や緩和的治療での繰り返し入院が多くなっています。
・肝癌は、15人が開腹または腹腔鏡下切除術を行っています。再発例は27人で16人は肝動脈塞栓術を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 27 10.00 56.85
中等症 182 13.18 79.79
重症 62 13.66 82.82
超重症 31 14.93 84.29
不明 0 0 0
・成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類(A-DORPスコア)に基づいて集計しています。
・市中肺炎とは、病院や介護施設・療養施設の外で日常生活を送っている人が発症した肺炎をいいます。
・成人市中肺炎の患者数は302人おり、最も多いのは中等症で182人でした。
・重症度の基準に年齢が含まれているため、重症度が高くなるほど、平均年齢が高くなっています。
・軽症の人は本来外来治療が推奨されていますが、入院となった軽症患者の多くは気管支喘息や慢性呼吸不全などの併存疾患がある方や、体動困難等で外来治療が難しい方でした。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 151 33.53 74.77 12.58
その他 16 34.94 75.13 6.25
・脳梗塞とは脳血管の血流障害より脳組織が壊死を起こすことで、麻痺、認知症、言語障害、視野障害などが現れます。
・「発症日から」の「その他」とは、脳梗塞発症から4日以降と無症候性の脳梗塞です。無症候性とは症状がないことです。
・脳梗塞の退院患者数は167名、平均在院数は34日、平均年齢は約75歳でした。
・脳梗塞を発症した年齢は70代が最も多く約36%(60人)80代が32%(54人)60代は13%〈21人)でした。
・発症日から「3日以内」に入院となった「急性期脳梗塞」の患者が全体の約90%(151人)を占めています。
・転院例は13%で、リハビリテーションと療養継続目的で転院しています。
・当院の回復期リハビリテーション病棟に転棟した方は34人いました。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 430 0.12 1.03 0.00 67.69
K6992 膵結石手術(経十二指腸乳頭によるもの) 82 2.33 5.43 0.00 59.49
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 72 3.29 9.63 1.39 77.72
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 68 4.81 8.43 1.47 64.90
K654 内視鏡的消化管止血術 40 1.80 9.05 10.00 66.95
・内科の手術で1番多いのは、「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)」です。約94%の方は入院当日に手術を行い、翌日に退院しています。10代から80代まで幅広い年代に行っています。
・2番目は「膵結石手術(経十二指腸乳頭によるもの)」で、慢性膵炎などが原因で膵臓にできた石を、内視鏡を用いて取り除く手術です。
・3番目は「内視鏡的胆道ステント留置術」で、胆管の狭くなったところが閉塞したり、結石によって詰まったりしないように金属の管を入れる手術です。手術前から炎症を起こしていたり、食事制限が行われたりするため、術後の平均日数が約10日となっています。
・4番目は「内視鏡的膵管ステント留置術」です。膵管の狭くなったところが閉塞したり、結石によって詰まったりしないように金属の管を入れる手術です。
・5番目は「内視鏡的消化管止血術」です。内視鏡を用いて、出血している部位に止血薬やクリップをつけて止血を行います。再度出血していないか確認できるまで、食事が食べられないため、術後日数は平均で9日ほどあります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 460 1.94 23.62 1.09 68.36
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 80 3.09 21.24 5.00 72.91
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 60 1.67 4.40 1.67 59.13
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 43 5.98 23.21 11.63 82.72
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く)、足、指(手、足)その他 39 2.59 3.92 5.13 58.77
・整形外科の手術で1番多いのは人工関節置換術です。関節の変形や癒着等で動かしづらさ、痛みがある場合に行います。
 件数は股関節が両側223件、片側47件、膝関節が両側123件、片側67件でした。97.6%(449件)が予定入院で、71.3%(328件)が入院して2日目に手術を行い、術後30日以内に退院しています。
 術前・術後日数は糖尿病・心臓病などの合併症の有無、股・膝関節の同日手術、手術の側数(片側か両側か)、術後の痛みやリハビリの状況によって変わります。
・2番目、3番目、5番目は骨折手術です。骨折部を切開し、ワイヤーやねじなどを用いて骨を適切な位置に固定します。
 術後日数は大腿骨など大きい骨ほどリハビリに時間を要するため長く、指や鎖骨など小さい骨ほど短い傾向があります。
 骨折の年齢層は未就学児から高齢者まで幅広いですが、大腿骨骨折の年齢層が最も高く53人中45人が70代以上の方でした。
・4番目は大腿骨を骨折した場合などに、大腿骨の上部を人工物に入れ替える手術です。
 高齢者の転倒等による大腿骨頸部骨折に行うことが多く、当院の年齢層も70~90代の方です。
 緊急入院が43件中38件と多くを占め、そのうち18件が救急車での来院です。5件がリハビリの継続のため、他院へ転院しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 110 2.05 2.08 0.00 67.59
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 92 2.24 4.10 1.09 60.37
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 38 1.00 3.87 0.00 62.84
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 30 4.97 10.13 0.00 72.90
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 30 0.47 3.00 0.00 37.40
・外科の手術で1番多いのは、「ヘルニア手術(鼠径ヘルニア)」です。約80%の人が入院2日目までに手術を行い、術後3日以内に退院しています。
・2番目は「腹腔鏡下胆嚢摘出術」で、石があったり、炎症を起こしている胆のうを、腹腔鏡を用いて摘出するものです。
・3番目は「乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)」です。入院翌日に手術を行い、術後約4日で退院しています。
・4番目は「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」で、結腸のがんを腹腔鏡を用いて切除する手術です。他の手術と比べて平均術前日数が長いのは、予定された入院での手術ではなく、腸閉塞や貧血等で緊急入院となり、手術までに日数がかかった方が数名いたためです。
・5番目は「腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの)」で、入院当日もしくは翌日に緊急的に行われています。他の手術と比べ平均年齢が低く、37.4歳です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 62 1.20 8.08 0.00 47.34
K9091 流産手術(妊娠11週までの場合) 56 0.89 0.09 0.00 33.18
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 54 5.17 6.93 0.00 32.04
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 34 5.79 7.24 0.00 30.82
K867 子宮頚部(膣部)切除術 34 1.00 1.91 0.00 40.38
・産婦人科で1番多い手術は子宮の全摘出手術です。主に子宮筋腫に対して行っています。9割以上の方は入院翌日に手術を行い、術後10日以内に退院しています。
・2番目は流産の手術です。9割の方が入院後2日以内に退院しています。
・3番目の選択帝王切開は、予定された帝王切開です。以前に帝王切開による分娩を行った場合や、ポリープや筋腫の手術歴があったり、骨盤位(胎児が頭を上にした通常と逆の姿勢)の場合に行います。切迫早産から帝王切開になった場合は術前の日数が長くなっています。術後は9割の方が7日以内に退院しています。
・4番目は緊急の帝王切開です。胎児の心拍異常や、妊娠高血圧等が原因で胎児や母体に緊急事態が生じた場合に行います。術後は9割の方が7日以内に退院しています。
・5番目は子宮頸部の病変部を円錐形に切り取る手術で、当院では高周波のループ電極を使用します。子宮頚がんや子宮頸部の異形成(がんの前段階)に対して行います。全例入院翌日に手術を行い、術後3日以内に退院しています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 11 0.00 8.64 0.00 0.00
- - - - - - -
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- - - - - - -
- - - - - - -
・当院の小児科では外科的手術を行っていないため、新生児に対して行った蘇生術のみが年10件以上行われた手術になります。
・「新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの)」は、出生時の新生児に、呼吸や循環不全が見られた場合に行う蘇生術で、体温が下がらないように保温や皮膚刺激を行ったり、吸引したり、チューブを口の中に入れたりして気道確保を行います。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 10 0.13
異なる 14 0.23
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 91 1.23
異なる - -
※DIC(播種性血管内凝固症候群)とは、さまざまな原因によって引き起こされる広範な血管内の凝固亢進を特徴とする後天的な症候群。微小血栓は最小血管で生じるとともに、血管に障害を与え、極めて重症になると臓器障害をきたすことがある。
※敗血症とは、感染症の発症時に体内で起こる過剰な生体反応によって、組織障害や臓器障害を起こす病態。

・入院中に最も医療資源を投入した病名(以下、医療資源病名)が上記4つの傷病名である件数を表示しています。さらに、入院時の診断病名(以下、入院契機病名)と、退院時に決定される医療資源病名が同一の場合と異なる場合で症例数を分けて表示しています。
・入院契機病名と医療資源病名が異なるということは、入院時の病状が入院後に変化した場合や、入院後に新たな病気が発生した場合があります。
・敗血症では入院契機病名と同一のものは10件、異なるものは14件でした。入院契機病名の多くは尿路感染症や肺炎などでした。
尿路感染症、肺炎が入院契機病名の場合は、入院後病状が悪化して敗血症に到っているものでした。
・手術・処置の合併症では、入院契機病名が同一のものが91件でした。入院契機病名と異なるものは10件未満でした。
手術・処置の合併症の主な内訳は、人工関節のゆるみや脱臼が23件、人工透析のために造設したシャント(動脈と静脈をつなげて作成した血液の交通手段)のつまりが22件、消化管手術時に縫い合わせた部位(吻合部)の狭窄による通過障害が17件でした。
・DIC(播種性血管内凝固症候群)、その他の真菌症は10件未満でした。
更新履歴
2018.9.25
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