平成30年度 埼玉協同病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 489 102 232 385 543 689 1133 1994 1387 296
・2018年4月1日から2019年3月31日までに退院した患者を10歳刻みの年齢区分別に集計しています。
・退院患者数は7250人で、男女比は男性50.6%、女性49.4%です。
・男女ともに70代の入院が最も多く、80代、60代と続きます。入院患者は70代以上が50.7%と約半数となっています。
・10歳未満の489人のうち約半数は0歳児であり、また0~6歳未満の乳幼児は87.7%となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 大腸ポリープ 内視鏡によるポリープ切除術あり 484 2.06 2.67 0.00 68.34
110310xx99xx0x 腎臓・尿路の感染症 169 12.01 12.58 5.33 77.39
060360xx01x0xx 慢性膵炎・膵石 膵石除去術などの手術あり 132 9.19 7.69 0.00 60.29
050050xx99100x 狭心症など 心臓カテーテル法による検査あり 125 3.29 3.01 6.40 71.06
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎 結石除去術など手術あり 114 9.74 10.08 1.75 75.31
内科は3病棟(160床)あり、消化器・呼吸器・循環器・糖尿病を中心とした総合診療を行っています。
また、当院は二次救急指定病院として救急患者の受け入れを行っており、内科患者の約4人に1人(2018年度24%)は救急車で来院し、入院しています。
緊急入院では、肺炎や尿路感染症などが多くみられます。
※肺炎は、年齢や重症度、肺炎の原因(ウイルス性、細菌性、誤嚥性)などによってDPCコードが細かく分かれるため、上位5位以内に入っていません。
消化器疾患では、内視鏡を使用した診断・治療を多く行っています。1番件数の多い大腸ポリープに対する内視鏡による切除術では、ほとんどが1泊2日の入院です。
慢性膵炎や膵石の治療も行っており、治療内容は内視鏡による膵石除去術や膵管へのステント挿入、体外衝撃波による膵石の破砕術などがあります。
総胆管結石や胆管炎などに対する内視鏡による結石除去術やステント挿入なども実施しており、緊急の処置にも対応しています。
2番目の腎臓・尿路感染症は、介護施設から紹介された方や、在宅での往診管理の方の入院が約4割を占めています。
循環器疾患では、狭心症などの虚血性心疾患が疑われる場合に心臓の血管に細い管(カテーテル)を入れ、狭くなった場所がないかを調べる検査を多く行っています。ほとんどが2泊3日の入院です
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 新生児疾患(黄疸など) 出生体重2500g以上の新生児 132 5.20 6.17 0.76 0.00
0400801199x00x 細菌性肺炎 43 4.19 5.71 0.00 3.65
040090xxxxxx0x 急性細気管支炎など 36 3.72 6.19 0.00 0.83
140010x299x0xx 新生児疾患(黄疸など) 出生体重1500g以上2500g未満の新生児 35 10.37 11.32 0.00 0.00
040070xxxxx0xx ウイルス性肺炎 31 4.00 6.14 3.23 2.71
小児科では当院産婦人科で生まれた新生児疾患の対応や、新生児以外の一般小児の疾患の対応を行っています。
新生児疾患は、低出生体重児や黄疸、呼吸器障害や感染症などによるものがあります。
新生児以外の一般小児の疾患では、細菌やウイルスによる肺炎やRSウイルスなどによる細気管支炎が多く見られます。
肺炎(細菌性、ウイルス性合計74件)は1歳が一番多く、0歳から3歳までで49人(66%)です。急性細気管支炎は0歳が24人(67%)で一番多いです。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア ヘルニア手術あり 120 4.60 4.96 0.83 70.39
060335xx02000x 胆のう炎など 腹腔鏡による胆のう摘出術等あり 85 7.19 7.30 0.00 64.04
060330xx02xxxx 胆のう結石など 腹腔鏡による胆のう摘出術等あり 58 5.78 6.52 0.00 60.21
060150xx03xxxx 虫垂炎 腹腔鏡による虫垂切除術あり 47 4.51 5.49 0.00 40.72
060035xx01000x 結腸の悪性腫瘍 結腸切除術等あり 34 15.50 15.30 0.00 70.68
外科では鼠径ヘルニアや胆のう結石、虫垂炎などの手術や、大腸、胃、肝臓、乳房などの悪性腫瘍の手術や化学療法などを行っています。
「胆のう炎に対する腹腔鏡による胆のう摘出術」では、急性胆のう炎に対する緊急手術を行うようになり、昨年より件数が増加しています。
「虫垂炎に対する虫垂切除術等」では、約8割が緊急で入院し、ほとんどの方が入院当日または翌日までに腹腔鏡による虫垂切除術を行っています。
悪性腫瘍に対する手術では、結腸に対する手術が多く、病状により可能な場合は、侵襲性の少ない腹腔鏡による手術を行います。腹腔鏡による手術が約7割で、残りは開腹による手術です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 変形性股関節症の人工関節置換術等あり 341 20.09 22.27 0.00 66.11
070230xx01xxxx 変形性膝関節症の人工関節置換術等あり 236 29.37 24.26 1.27 73.42
160800xx01xxxx 股関節大腿近位(大腿骨の股関節に近い部分)骨折 人工骨頭挿入術等あり 72 28.53 26.30 15.28 78.92
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄症等のCT検査 35 2.06 2.79 0.00 72.83
160760xx97xxxx 前腕(肘と手首の間)の骨折 手術あり 33 3.09 5.68 0.00 61.03
整形外科では人工関節をはじめ、腫瘍、脊椎、関節、上肢など幅広い症例に対応しています。最も多い疾患は変形性股関節症、変形性膝関節症で、整形外科患者の5割を占めています。人工関節手術では正確で安全な手術を行うため、コンピューターによるナビゲーションシステムを導入しています。術後は神経ブロック(神経の周辺に麻酔薬を注射して痛みを緩和する)による疼痛管理を行うことで、早期からリハビリを行うことができます。
骨折で多い部位は大腿骨、前腕です。大腿骨は転倒などにより骨折しやすく、骨粗鬆症などで骨がもろくなっている高齢者に多いです。自宅での生活に戻るために継続的なリハビリが必要な場合、近隣の連携している病院へ転院となることがあります。前腕は肘と手首の間の部分です。骨だけでなく神経まで損傷すると手のしびれ、指の動かしにくさが生じたり、骨がくっつくまでに時間がかかることがあります。約8割は他院からの紹介です。                   
4番目は脊柱管狭窄症等のCT検査です。造影剤を注入して脊柱管(背骨の中の神経の通り道)が狭くなっていないかを調べる検査です。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産の手術あり 64 1.98 2.45 0.00 34.00
120180xx01xxxx 帝王切開術(以前に帝王切開の経験あり) 60 9.07 9.70 0.00 33.05
120170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 55 25.62 19.69 9.09 31.67
12002xxx02x0xx 子宮頸部・体部の悪性腫瘍 45 3.00 3.20 0.00 40.18
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍(子宮筋腫) 子宮全摘術等あり 37 8.54 9.87 0.00 45.11
産婦人科は妊娠管理、分娩など出産に関わる入院や子宮や卵巣の手術などを行っています。産婦人科の患者数は505人で、全患者数の約7.0%を占めています。なお、正常分娩など自費診療のみの患者は数に含まれていません。分娩数は近隣の産科診療所の閉所の影響もあり、やや増加し2018年度は560件でした。精神疾患や妊娠糖尿病など合併症がある場合も、安心して出産に臨めるよう、精神科、内科と連携して妊娠中や産後のケアに努めています。また、児に黄疸や呼吸障害などの疾患がみられた場合は、すみやかに小児科での治療につなげています。早産を回避するための管理入院も多く、近隣の周産期センターと連携し、未熟児など産後専門的な管理が必要な場合はすみやかな転院につなげています。 
婦人科で多い疾患は子宮の腫瘍です。子宮頸部の悪性腫瘍は、子宮頚部の上皮内がん(がんが臓器の表面にとどまっている状態)や異形成(がんの前段階)の切除術を行っており、全症例が3日で退院しています。子宮筋腫の手術は、症状の1つである過多月経に対する保存的治療の選択肢が増えたことに加え、腹腔鏡での手術を希望する方の他院への紹介が増えており、前年(59件)より件数は減少しています。  
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 手術あり 11 6.36 7.04 0.00 67.18
耳鼻咽喉科は慢性副鼻腔炎、中耳炎、声帯ポリープなどの手術や、突発性難聴、急性扁桃炎などの投薬治療を行っています。
耳鼻咽喉科の患者79人のうち、一番多い疾患は慢性副鼻腔炎です。 副鼻腔は鼻の周辺の骨に複数ある空洞のことで、鼻炎や鼻づまりなどの炎症が長引くと、細菌やウイルスが増えて膿がたまります。重症化した場合、顔面の痛みや頭痛などの症状につながることもあり、炎症を起こしている部分の手術を行います。
※症例数が10未満は-(ハイフン)表示をしています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 69 6 10 36 11 10 1 8
大腸癌 24 35 57 41 19 24 1 8
乳癌 31 28 10 7 0 5 1 8
肺癌 7 6 11 12 6 11 1 8
肝癌 11 7 5 1 2 34 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・5大癌とは、胃、大腸(結腸・直腸)、乳房、肺、肝臓の癌のことで、日本で罹患・死亡数が多い癌です。・5大癌の初発、再発の患者数を集計しています。
・UICC(国際対がん連合)病期分類は国際的に用いられているもので、初発のがんについて進展度や転移の有無などにより分類され、治療方法の決定などに利用されます。StageⅠ~Ⅳで表され、ⅠからⅣの順に、がんが広がっている状態を表しています。
初発、再発の患者数を合わせると、多い順に大腸癌が200人、胃癌が142人、乳癌が81人、肺癌が53人、肝癌が60人でした。
・胃癌は、StageⅠが最も多く、そのうちの約7割が内視鏡を用いて癌を切除する治療を行っています。次に多いStageⅣの約6割は化学療法での繰り返しの入院となっています。
・大腸癌は、5大癌の中でも最も患者数が多くなっています。StageⅠ~Ⅲの患者の約6割は、開腹もしくは腹腔鏡下で癌の切除術を行っており、約2割は化学療法(抗癌剤)治療での入院でした。StageⅣは約5割が化学療法の入院で、他は癌の切除術や人工肛門造設術などの対症療法的な治療や痛みのコントロールなどが目的の入院でした。
・乳癌は、StageⅠ~Ⅳの約6割が癌の切除術を行っており、Stage別にみるとStageⅠが23人、StageⅡが17人、StageⅢが5人、StageⅣが2人でした。約3割は化学療法での入院でした。
・肺癌は、StageⅣが12人と最も多く、緩和的治療での繰り返し入院が多くなっています。StageⅠ~Ⅲの24人のうち7人は癌の切除術を行い、12人は化学療法を行っています。
・肝癌は、10人が開腹または腹腔鏡下で癌の切除術を行っています。再発例は34人でこのうち約5割は肝動脈塞栓術を行っており、約3割は化学療法などの治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 24 7.54 57.33
中等症 167 15.44 78.51
重症 54 16.37 82.03
超重症 22 21.22 85.04
不明
※市中肺炎は主に自宅を拠点に日常生活を送っている人が発症した肺炎です。(病院入院中、介護施設入所中、90日以内に病院を退院した要介護者は除く)
※重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類(A-DROPスコア)に基づいて判定し集計しています。

ガイドラインでは軽症の場合、外来治療が推奨されていますが、軽症で入院となった患者は、気管支喘息や糖尿病、がんなどの基礎疾患があったり、胸部画像の所見から入院治療が必要と判断された方でした。中等症は患者数が167人と一番多くなっています。重症度分類は年齢が判定要素のひとつになっているため、男性70歳以上、女性が75歳以上であれば、中等症以上になります。
市中肺炎全体の患者の年齢階級を見てみると、20~50代が20人、60代が21人、70代が83人、80代が114人、90代が32人となっており、80代が一番多くなっています。肺炎は診断群分類が重症度によって細かく分類されているため、診断群分類別の患者数(内科)では上位にあがっていませんでしたが、疾患で見ると一番多い入院疾患となります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 116 26.7 76.2 8.62
その他 22 28.5 74.3 9.09
・脳梗塞とは脳血管の血流障害により脳組織が壊死を起こすことで、麻痺、認知症、言語障害、視野障害などの症状が現れます。
・脳梗塞の患者数は138人で、平均在院日数が27.6日、平均年齢は約75.3歳でした。
・発症した年代は70代が最も多く42人(30.4%)、次いで80代が41人(29.7%)でした。50代から60代でも脳梗塞を発症しており28人(20.3%)のうち50代が10人、60代が18人でした。
・発症日から「3日以内」に入院となった急性期の患者は84.1%を占めており、残りの15.9%に当たる「その他」とは、発症日から4日以降の患者や大きな症状のない患者を指します。
・急性期の治療が終了後、継続的なリハビリや療養が必要で、転院した患者は12人(8.7%)でした。当院の回復期リハビリテーション病棟にも22人(15.9%)が転棟し、在宅復帰に向けてのリハビリに取り組みました。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 514 0.11 1.05 0.00 68.88
K6992 膵結石手術(経十二指腸乳頭によるもの) 96 2.15 4.33 0.00 60.39
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 91 6.57 6.09 0.00 62.50
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 71 2.96 11.17 1.41 80.65
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 43 2.21 2.86 0.00 68.09
消化器疾患では、内視鏡を使用した治療を行っており、「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)」が1番多く、昨年より約80件増加しています。
内視鏡を使用した「膵結石手術」、「膵管ステント留置術」は、膵炎や膵石に対して、膵結石を取り除いたり、膵液の流れをよくする手術です。
体外衝撃波による膵石の破砕術を行った後にこの手術を行う場合は術前日数が長くなります。
内視鏡を使用した「胆道ステント留置術」は、総胆管結石や胆管炎などに対して、胆管がつまらないように金属の管を入れる手術です。
「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」は、慢性腎不全のため透析を必要とする場合に必要となるシャント(血液を多く取り出すため、動脈と静脈をつなぎ合わせたもの)が血栓などにより詰まり、それを取り除く手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 159 2.15 4.43 0.00 63.01
K6335 鼠径ヘルニア手術 128 1.28 2.19 0.78 67.71
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 47 0.47 3.04 0.00 40.72
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 34 4.29 10.85 0.00 72.38
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除または悪性腫瘍手術) 29 6.72 19.69 3.45 70.86
外科では胆のう結石や鼠径ヘルニア、虫垂炎などの手術や、大腸、胃、肝臓、乳房などの悪性腫瘍の手術を行っています。
腹腔鏡は、胆のう結石や虫垂炎などに対する手術をはじめ、大腸、胃などの悪性腫瘍に対する手術でも使用しています。
外科で1番多い手術は「腹腔鏡下胆嚢摘出術」で、胆のうに石があったり、炎症を起こしている場合に腹腔鏡を用いて胆のうを摘出するものです。急性胆のう炎に対する緊急手術を行うようになり、昨年より約70件多くなっています。
悪性腫瘍に対する手術では、結腸に対する手術が1番多く、病状により可能な場合は、侵襲性の少ない腹腔鏡による手術を行います。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 603 2.00 22.00 0.66 69.30
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 62 3.00 16.00 14.52 72.73
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 46 3.00 9.00 0.00 62.11
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 32 2.00 18.00 6.25 74.22
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 31 3.00 23.00 3.23 69.90
整形外科の手術で1番多いのは人工関節置換術です。変形した関節を金属やセラミックなどでできた人工関節に入れ替えることで痛みを取り除き、歩行能力を改善できます。コンピューターによるナビゲーションシステム(患者が関節を動かせる範囲を確認し、人工関節を入れる位置や角度を事前に計画する。手術時は骨と手術器具との距離や角度が画面上に表示され、コンピューターの指示に従い計画通りに手術が進められる)や、MIS手術(できるだけ小さく皮膚切開を行うことで、痛みが少なくなり術後のリハビリを早く開始できる)などの技術を取り入れ、安全で正確な手術に努めています。
遠方から来院する患者も多く、1度の入院で治療が完了するよう両側手術も対応しています。603件のうち、股関節が347件(両側72件、片側275件)、膝関節が256件(両側101件、片側155件)でした。平均術後日数は股関節の方が短く、股関節が18日、膝関節が27日です。

骨折の手術は、骨折部を切開し、ワイヤーやねじなどを用いて骨を適切な位置に固定します。部位は大腿骨が最も多く、次が前腕です。大腿骨は人体の中で一番大きく、他の部位と比べてリハビリに時間を要するため、術後日数が長くなる傾向があります。
脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術は腰部脊柱管狭窄症に対して行う手術です。脊柱管(背骨の中の神経の通り道)が骨や靱帯などによって狭くなると、神経が圧迫されて腰痛や下肢のしびれや痛み、歩行障害を生じます。手術は骨や靱帯を削って圧迫を取り除く方法(椎弓切除)や、骨と骨の間にずれがあり不安定な場合に金属を使って固定する方法(椎体固定)があります。   
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 63 5.00 7.00 0.00 32.75
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで)(その他) 46 1.00 0.00 0.00 34.50
K867 子宮頸部(腟部)切除術 45 1.00 1.00 0.00 40.18
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 36 4.00 7.00 0.00 30.44
K877 子宮全摘術 34 1.00 7.00 0.00 47.56
産婦人科では、妊娠、出産に関する手術が多いです。筋腫やポリープなど子宮の手術歴ある場合、または胎児が骨盤位(胎児が頭を上にした通常と逆の状態)の場合など、通常の経腟分娩が難しいと判断したときは母児の安全を考え帝王切開術を行います。妊娠に伴う高血圧、糖尿病や精神疾患など合併症を持つ妊婦の比率が高くなってきており、予定の帝王切開が多くなっている要因の1つであると考えます。
子宮頸部(腟部)切除術は子宮頚がんや子宮頸部の異形成(がんの前段階)に対して行います。子宮頸部の病変部を円錐型に切り取る手術で、当院では高周波のループ電極を使用します。全例が入院2日目に手術を行い、翌日に退院しています。子宮の全摘術は、主に子宮筋腫に対して行っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 10 0.00 6.00 0.00 64.00
耳鼻咽喉科で1番多かった手術は内視鏡下鼻・副鼻腔手術です。主に慢性副鼻腔炎に対して行う手術で、鼻の穴から内視鏡を入れ、炎症を起こして腫れた粘膜を切除します。全例が入院当日に手術を行い、術後は平均して6日で退院しています。
※症例数が10未満は-(ハイフン)表示をしています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 16 0.22
異なる 25 0.34
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 47 0.65
異なる
※DIC(播種性血管内凝固症候群)は、がんや細菌感染症などの病気から血液の凝固反応が高まり、全身に血栓が生じます。血栓により血管が詰まり、血流が妨げられて酸素や栄養が体に行き届かなくなるため臓器の障害を起こすことがあります。
※敗血症は、感染に対して起こる体中の過剰な生体反応によって、臓器の障害を起こしている状態です。

入院中に医療資源を最も投入した傷病名(以下 医療資源病名)が上記4つの傷病名であった件数を表示しています。
また入院のきっかけになった病名(以下 入院契機病名)と退院時に決定される医療資源病名が「同一」の場合と「異なる」場合で症例数を分けています。
入院契機病名と医療資源病名が異なるということは、入院時の病状が入院後に悪化したり、新たな病気が発生した場合があります。
・敗血症は、入院時にすでに敗血症となり、入院治療を行った患者は16人。入院後に敗血症になり治療を行った患者が25人でした。入院後に敗血症になった患者の入院契機病名の多くは、尿路感染症や肺炎などの感染症で、感染症から病状が悪化して、敗血症になったものです。
・手術・処置の合併症は、入院契機病名と医療資源病名が同一のものが47件でした。手術・処置の合併症の主な内訳は尿道留置カテーテル関連の尿路感染症、人工関節の脱臼・ゆるみ、術後の吻合部狭窄による通過障害などです。
※症例数が10未満は-(ハイフン)表示をしています。
更新履歴
2019.9.25
新規作成