令和元年度 埼玉協同病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 409 101 281 363 528 724 1115 2126 1547 335
・2019年4月1日から2020年3月31日までに一般病棟から退院した患者を10歳刻みで集計しています。
・年齢は入院した時の満年齢です。
・退院患者数は7529人です。
・男女比は男性3552人(47.18%)女性3977人(52.82%)とやや女性の方が男性を上回っています。
・70代が最も多く、70代以上の入院患者数は全体の約半数(53.23%)になっています。
・10歳未満は409人で全体の5.43%となります。そのうち82人(2.00%)は当院で出生し治療した新生児です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100XX01XX0X 大腸ポリープ 内視鏡によるポリープ切除術あり 448 2.07 2.63 0.00 69.07
110310XX99XX0X 腎臓または尿路の感染症 145 11.48 12.58 3.45 74.79
040081XX99X00X 誤嚥性肺炎 139 20.86 20.84 12.95 84.98
060360XX01X0XX 慢性膵炎・膵石 膵石除去術などの手術あり 123 9.22 7.43 0.00 57.01
050050XX99100X 狭心症など 心臓カテーテル法による検査あり 102 3.33 3.01 0.00 70.89
・内科では、消化器・呼吸器・循環器・糖尿病を中心とした総合診療を行っています。また、当院は二次救急指定病院として救急患者の受け入れを行っており、内科入院患者の約4人に1人(2019年度24%)は救急車で来院しています。緊急入院では、消化器疾患(結腸憩室炎、胆管炎など)や呼吸器疾患(誤嚥性肺炎、細菌性肺炎など)、循環器疾患(心不全や脳梗塞)、泌尿器疾患(尿路感染症など)が多くみられます。

※疾患により、年齢や重症度、処置の内容などによってDPCコードが細かく分かれるため、上記5位に入らないものがあります。

・1番件数が多いのは大腸ポリープに対して内視鏡による切除術を行ったものです。症状があって受診される場合もありますが、がん検診後の再検査や他疾患で通院中の定期検査等でポリープが見つかった場合などが多いです。

・3番目は誤嚥性肺炎です。約半数が介護施設等からの入院です。退院先は他院への転院が他疾患より多く(12.95%)、介護施設等への退院を合わせると全体の7割近くを占めています。

・狭心症などの虚血性心疾患が疑われる場合には、心臓の血管に細い管(カテーテル)を入れ、狭くなった場所がないかを調べる検査を行います。ほとんどが2泊3日の予約入院です。

・4番目の慢性膵炎や膵石の治療では、内視鏡による膵石除去術や膵管へのステント挿入、体外衝撃波による膵石の破砕術などを行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 新生児疾患(黄疸など) 出生体重2500g以上の新生児 87 4.39 6.17 0.01 0.00
040090XXXXXX0X 急性細気管支炎、急性気管支炎 45 4.36 6.19 0.00 1.02
080270XXXX1XXX 食物アレルギー 小児食物アレルギー負荷検査施行あり 31 1.00 2.15 0.00 1.87
0400801199X00X 肺炎(細菌、マイコプラズマなどによる) 28 4.04 5.69 0.00 4.21
040100XXXXX00X 喘息 28 4.43 6.64 0.00 3.54
・小児科では当院で出生した新生児の疾患や、小児内科疾患を中心に治療を行っています。
・新生児疾患のうち最も多いのは、新生児黄疸で、その他には低出生体重児や呼吸器障害、感染症などによるものがあります。
・急性細気管支炎、急性気管支炎は、RSウイルスによるものがほとんどで、平均4日ほどで退院しています。
・食物アレルギー負荷試験は、アレルギーが疑われる食品を食べて、症状を観察するもので、食物アレルギーの原因の診断や耐性獲得の確認などを行います。
・肺炎(細菌、マイコプラズマなどによる)は1歳児の入院が一番多いです。
・喘息は気管支喘息発作による緊急入院が多くを占め、治療薬の投与、調整を行っています。


外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160X001XXXX 鼠径ヘルニア ヘルニア手術あり 104 4.34 4.85 0.00 68.15
060335XX02000X 胆のう水腫、胆のう炎等 胆のう摘出等術あり 78 6.09 7.13 0.00 62.01
060150XX03XXXX 虫垂炎 虫垂切除術あり 44 4.82 5.45 0.00 42.07
060330XX02XXXX 胆のう結石等 胆のう摘出術等あり 38 6.05 6.37 0.00 62.79
060035XX01000X 結腸(盲腸、虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術等あり 32 14.28 15.02 0.00 70.88
・外科では鼠径ヘルニアや胆のう結石、虫垂炎などの手術治療、消化器(結腸、胃、肝臓、膵臓など)や乳房、肺などの悪性腫瘍の手術治療、化学療法を行っています。

・患者数が一番多いのは「鼠径ヘルニア ヘルニア手術あり」です。

・2番目と4番目は胆のうの疾患になります。胆のう炎を合併して、緊急入院をした場合は早期に胆のう摘出術やドレナージを行います。無症状であった場合は待機的に予約入院となり胆のう摘出術を行います。

・虫垂炎は約半数が緊急入院です。手術は入院の当日または翌日に行われています。虫垂の周囲に膿瘍を伴う場合は手術内容も変わり、治療の期間も長くなります。

・悪性腫瘍の手術は結腸癌(盲腸、虫垂含む)が一番多くなっています。約7割は侵襲性の少ない腹腔鏡を用いた手術です。

・手術を行う入院治療に関しては、手術・疾患毎に作成されたクリニカルパスという治療計画に沿って行われます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040XXX01XXXX 変形性股関節症 人工関節置換術等あり 339 16.90 21.53 0.29 65.78
070230XX01XXXX 変形性膝関節症 人工関節置換術等あり 308 21.84 23.56 1.30 72.86
160800XX01XXXX 股関節大腿近位(大腿骨の股関節に近い部分)骨折 人工骨頭挿入術等あり 69 26.30 25.94 18.84 82.01
160760XX97XXXX 前腕(肘と手首の間)の骨折 手術あり 53 2.94 5.54 0.00 61.49
160700XX97XX0X 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 33 3.52 5.94 0.00 48.73
・整形外科では人工関節をはじめ、脊椎脊髄、手外科、リウマチの専門医が診察にあたり、幅広い症例に対応しています。

・変形性股関節症、変形性膝関節症の人工関節手術は、コンピュータによるナビゲーションシステム、3Dモデルの作成などを導入して正確で安全な手術に努めています。入院期間は関節の変形の程度や手術の側数(両側か片側か)等によって変わりますが、術後のリハビリの進み具合を見ながら退院時期を決めています。最短で1週間程度で退院できる場合もありますが、もともと歩行能力が大きく低下していた場合など回復に時間を要する場合は、当院の回復期リハビリテーション病棟に転棟したり、自宅近くのリハビリ可能な病院に転院したりしています。                                  

・骨折で多い部位は、股関節大腿近位、前腕、鎖骨です。股関節大腿近位は転倒や転落により骨折しやすい部位で高齢者に多いです。自宅での生活に戻るために継続的なリハビリが必要な場合、転院となることがあります。 

・前腕は肘と手首の間の部分で、骨だけでなく神経を損傷して手のしびれ、指の動かしにくさが生じたり、骨癒合(骨がくっつくこと)までに時間がかかることが多く、他院から紹介を受けることも多いです。

・鎖骨・肩甲骨の骨折は9割が鎖骨です。鎖骨骨折の要因は自転車の転倒によるものが多く、年齢層は10代から70代まで幅広いです。

※骨折の手術には抜釘手術(骨を固定するために留置したねじやプレートなどを抜く手術。骨癒合が完了してから行う)も含まれています。 
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350XXXXXXXX 慢性副鼻腔炎 14 5.36 6.80 0.00 57.64
030230XXXXXXXX 扁桃、アデノイドの慢性疾患 11 5.82 7.80 0.00 18.27
030240XX97XXXX 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 その他の手術あり 11 6.82 8.67 0.00 30.55
耳鼻咽喉科は慢性副鼻腔炎、扁桃腺などに対する手術や、突発性難聴、急性扁桃炎などの投薬治療を行っています。2019年7月より耳鼻科全般の手術を開始し、2020年3月現在、頭頚部癌を除く広い範囲の耳鼻科手術を行っています。耳鼻咽喉科の入院では1歳から90歳代まで幅広い年代を受け入れています。

※症例数が10未満は‐(ハイフン)表示をしています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110XX97XXX0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 31 3.23 2.78 0.00 76.39
020220XX97XXX0 緑内障 手術あり 片眼 19 8.16 7.53 0.00 72.63
2019年7月より眼科入院手術を再開し、白内障・緑内障の手術を中心に治療を行っています。緑内障に関しては、「より負担の少ない低侵襲緑内障手術(MIGS)」や、白内障と緑内障の同時手術も行っています。2番目の緑内障では、約8割が緑内障と白内障の手術を同時に行っています。

※症例数が10未満は‐(ハイフン)表示をしています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180XX01XXXX 帝王切開術(緊急または以前に帝王切開の経験あり) 58 8.93 9.66 0.00 32.97
120140XXXXXXXX 流産 手術あり等 50 2.26 2.51 0.00 31.82
12002XXX02X0XX 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頚部切除術等 49 2.98 3.13 0.00 39.98
120060XX01XXXX 子宮の良性腫瘍 手術あり 44 8.34 9.71 0.00 46.16
120170XX99X0XX 早産、切迫早産 手術なし 44 30.23 19.06 2.27 28.70
・産婦人科は妊娠管理、分娩など出産に関わる入院や子宮や卵巣の手術などを行っています。産婦人科の患者数は541人(保険診療を行った患者数)ですが、このほかに上記表には入らない集計外の正常分娩など自費診療のみの患者が451人います。分娩数は532件と月平均44件の分娩を取り扱っています。
当院では精神疾患や妊娠糖尿病など合併症がある場合も、安心して出産に臨めるよう、精神科、内科と連携して妊娠期間や産後のケアに努めています。
早産を回避するための管理入院も多く、近隣の周産期センターと連携し、未熟児など産後専門的な管理が必要な場合はすみやかな転院につなげています。 

・3番目は、子宮頚部・体部の悪性腫瘍です。全例が子宮頚部の上皮内がん(がんが臓器の表面にとどまっている状態)と異形成(がんの前段階)の切除術です。ほとんどの方が3日で退院しています。

・次に多いのは子宮の良性腫瘍(子宮筋腫)で、子宮筋腫摘出術や子宮全摘術の治療を行っています。


初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 38 12 15 24 12 12 1 8
大腸癌 33 17 47 50 32 11 1 8
乳癌 23 33 1 8
肺癌 15 38 11 1 8
肝癌 23 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・5大癌とは、胃、大腸(結腸・直腸)、乳房、肺、肝臓の癌のことで日本で罹患・死亡数が多い癌です。
・5大癌の初発、再発の患者数を集計しています。
・UICC(国際対がん連合)病期分類は国際的に用いられているもので、初発のがんについて進展度や転移の有無などにより分類され、治療方法の決定などに利用されます。StageⅠ~Ⅳで表され、ⅠからⅣと数字が大きくなるにつれ、がんが拡がっている状態を表しています。
※症例数が10未満は‐(ハイフン)表示をしています。

・初発、再発の患者数を合わせると、多い順に大腸癌が190人、胃癌が113人、肺癌が80人、乳癌が66人、肝癌が43人でした。

・胃癌は、StageⅠが最も多く、そのうちの約7割が内視鏡を用いて癌を切除する治療を行っています。次に多いStageⅣの約4割は化学療法での繰り返しの入院となっています。
・大腸癌は、5大癌の中でも最も患者数が多くなっています。StageⅠ~Ⅲの患者の約6割は、開腹もしくは腹腔鏡下で癌の切除術を行っており、約2割は化学療法(抗癌剤治療)での入院でした。StageⅣは約4割が化学療法で、他は癌の切除術や人工肛門造設術などの対症療法的な治療や痛みのコントロールなどが目的の入院でした。
・乳癌は、StageⅠ~Ⅳの約7割が癌の切除術を行っており、約3割は化学療法での入院でした。
・肺癌は、StageⅣが38人と最も多く、このうち化学療法での入院が6割で、他は緩和的治療での入院となっています。StageⅠ~Ⅲの方は化学療法や肺の組織を採取する検査、癌の切除術を行っています。
・肝癌は、各項目が10人以下のため表に数値が載っていませんが、StageⅠ~Ⅳに15人おり、開腹または腹腔鏡下で癌の切除術や肝動脈塞栓術(足の付け根の動脈から肝臓の動脈までカテーテルを挿入し、抗がん剤とがんに栄養を運んでいる血管を塞ぐ物質を注入する)など行っています。再発例は23人でこのうち約7割は肝動脈塞栓術を行っており、約2割は化学療法などの治療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 33 8.03 50.61
中等症 168 13.44 79.37
重症 46 16.00 83.96
超重症 24 22.63 84.96
不明
・肺炎は細菌やウイルス等の病原微生物が感染して、肺に炎症を起こす病気です。
・市中肺炎は主に自宅を拠点に日常生活を送っている人が発症した肺炎です。(病院入院中、介護施設入所中、90日以内に病院を退院した要介護者は除く)
・成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類(A-DROPスコア)に基づいて集計しています。
・軽症は外来治療が奨励されますが、気管支喘息や糖尿病、高血圧などの基礎疾患を持つ方や、胸部画像の所見から必要性を判断された場合は入院治療を行います。
・中等症の方は168人と最も多く平均在院日数13.44日、平均年齢79.37歳です。
・患者の年齢を見てみると、20代~60代61人、70代75人、80代111人、90代45人となっています。
・重症、超重症の平均年齢はともに80歳を超えています。

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脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 118 33.70 76.03 7.63
その他 34 34.85 70.77 8.82
・脳梗塞とは脳血管の血流障害により脳組織が壊死することで、上肢や下肢の麻痺、言語障害、視野障害、認知機能障害などが現れます。
・入院治療では薬物治療、リハビリテーションなどが行われます。障害の状況などに応じて、急性期の治療後に回復期リハビリテーション病棟で在宅での生活に向けてリハビリを継続することがあります。
・発症日から「3日以内」に入院となった患者数は118人。「その他」は発症日が4日以降で、こちらの患者数は34人でした。割合で見ると発症日「3日以内」は77.63%。「その他」の4日以降は22.37%でした。
・年代別の割合を見ると70代が37.09%と一番多くなっています。50代以下は9.93%でした。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 477 0.13 1.12 0.00 69.54
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 87 6.23 10.20 0.00 60.07
K6992 膵結石手術(経十二指腸乳頭) 80 1.65 4.39 0.00 57.96
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 69 2.62 9.99 5.80 73.83
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 64 0.44 2.67 3.13 68.67
・消化器疾患では、内視鏡を使用した様々な治療を行っています。一番多いものが「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満)」で、大腸にあるポリープなどを内視鏡で取り除く手術です。

・内視鏡を使用した「膵管ステント留置術」、「膵結石手術」は、膵炎や膵石に対して、膵結石を取り除いたり、膵液の流れを良くする手術です。体外衝撃波による膵石の破砕術を行った後にこの手術を行う場合は術前日数が長くなります。

・内視鏡を使用した「胆道ステント留置術」は、総胆管結石や胆管炎などに対して、胆管がつまらないように管を入れる手術です。

・「経皮的シャント拡張術・血栓除去術」は、慢性腎不全のため透析を必要とする場合に必要となるシャント(血液を多く取り出すため、動脈と静脈をつなぎ合わせたもの)が狭くなったり血栓などにより詰まる場合に、それを広げたり血栓を取り除くための手術です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆のう摘出術 138 1.68 4.15 0.00 63.20
K6335 鼠径ヘルニア手術 105 1.23 2.08 0.00 67.54
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 44 0.68 3.14 0.00 42.07
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 33 7.88 18.27 3.03 72.39
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 29 1.03 2.52 0.00 64.83
・外科で1番患者数の多い手術は「腹腔鏡下胆のう摘出術」です。胆のう結石症や胆のう炎などに対して腹腔鏡を用いて手術を行います。胆のう炎や胆管炎を併発して緊急で入院した場合は、術前に炎症に対しての治療を行うことがあるので術前日数が少し長くなります。予定手術で予約入院となった場合は、入院翌日に手術を行います。

・「腹腔鏡下虫垂切除術」は虫垂周囲に膿瘍を伴うものとそうでないものでは手術の内容が変わってきます。虫垂周囲に膿瘍があると手術の内容が変わり、術前、術後の治療期間も膿瘍がない場合と比べて長くなることがあります。

・悪性腫瘍の手術では結腸癌(盲腸、虫垂含む)に対して行う開腹による結腸切除術が33件です。結腸癌は患者の状態によって腹腔鏡下で腫瘍の切除を行うことがあります。

・乳癌に対して行う乳腺悪性腫瘍手術は29件となっています。乳癌は癌の程度によって術前に薬物療法(化学療法・内分泌療法)を行うことがあります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 695 2.00 20.00 0.72 69.72
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 80 1.00 3.00 2.50 58.91
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 66 4.00 16.00 9.09 75.14
K0811 人工骨頭挿入術  肩、股 48 9.00 35.00 16.67 81.90
K0463 骨折観血的手術 鎖骨、手(舟状骨を除く)、指、膝蓋骨、足 46 2.00 3.00 4.35 50.85
・整形外科の手術で1番多いのは「人工関節置換術」です。変形した関節を人工関節に入れ替えることで痛みを取り除き、歩行能力を改善できます。

・当院の人工関節手術の特徴として、手術前にCT画像を元に患者の関節の3Dモデルを作成することで、それぞれに適した人工関節の形、大きさ、設置位置の検討を行います。これらの手術計画はコンピュータのナビゲーションシステムにより術中にモニター表示され、手術機械と連動することでより正確な手術が可能となります。また、皮膚切開の範囲をできるだけ小さくして筋肉などのダメージを最小限にとどめるMIS(最小侵襲手術)を採用し、術後の早期回復を念頭に置いた手術に努めています。遠方から来院する患者も多く、1度の入院で治療が完了するよう両側手術も行っています。695件のうち、股関節が356件(両側68件、片側288件)、膝関節が339件(両側165件、片側174件)でした。   

・骨折の手術では、骨折部位の皮膚を切開し、ねじやプレートなどを用いて骨を適切な位置に固定します。(K0462、K0461、K0463)

・4番目の「人工骨頭挿入術」の骨頭とは骨の先端の丸くなっている部分です。骨折から時間が経っていたり、骨がずれたり離れたりしてしまった場合、骨をつなげるのが難しいため、金属でできた人工骨頭に入れ替えます。高齢者の大腿骨頸部骨折で行われる場合がほとんどで、肩関節の手術は稀です。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 15 0.20 4.53 0.00 57.27
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 14 0.00 6.43 0.00 27.00
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 10 0.00 1.00 0.00 3.30
耳鼻咽喉科では慢性副鼻腔炎、扁桃腺などに対する手術を始め、2020年3月現在、頭頚部癌を除く広い範囲の耳鼻科手術を行っています。ほとんどが入院当日に手術を行い、経過を見て退院となります。

※症例数が10未満は‐(ハイフン)表示をしています。


眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 31 0.00 2.13 0.00 76.74
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 15 0.00 6.53 0.00 72.20
眼科では2019年7月より手術を再開し、主に白内障・緑内障の手術を中心に受け入れています。
緑内障手術は房水(眼球内部の水)をスムーズに外に排出させ、眼圧を下げるために行います。手術の方法として流出路再建術(繊維柱帯を切ることで抵抗を減らし房水の流れを良くする)や濾過手術(新たに房水の経路を作成して眼圧を下げる)があります。
より負担の少ない低侵襲緑内障手術(MIGS)や、白内障と緑内障の同時手術も行っています。
入院当日に手術を行い、経過を見て退院となります。

※症例数が10未満は‐(ハイフン)表示をしています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 55 4.69 6.95 0.00 33.31
K867 子宮頸部(腟部)切除術 48 1.00 1.00 0.00 40.10
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 46 0.74 7.02 0.00 30.72
K877 子宮全摘術 43 1.49 7.05 0.00 49.67
K9091ロ 流産手術(妊娠11週まで)(その他) 42 1.21 0.14 0.00 32.36
・産婦人科では、妊娠、出産に関する手術を多く行っています。

・「帝王切開術」は、前回帝王切開や筋腫などの子宮の手術歴ある場合、または胎児が骨盤位(胎児が頭を上にした通常と逆の状態)の場合など、通常の経腟分娩が難しいと判断したときに、母児の安全を考えて行います。

・「子宮頸部(腟部)切除術」は子宮頚部の上皮内がんや異形成(がんの前段階)に対して行います。当院では高周波のループ電極を使用して切除します。

・「子宮の全摘出術」は、主に子宮筋腫に対して行っており、ほとんどの方は術後7日ほどで退院しています。

・「流産の手術」は、流産時に子宮内容物を除去するものです。基本的に2日程度の入院となります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一 16 0.21
異なる 20 0.27
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 68 0.90
異なる
・入院中に医療資源を最も投入した傷病名(以下 医療資源病名)に「DIC(播種性血管内凝固症候群 読み:はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)」「敗血症」「その他の真菌症」「手術・処置等の合併症」が選択された件数を入院契機が医療資源病名と同一か異なるかに分けて集計しています。

〈用語解説〉
医療資源を最も投入した傷病名(医療資源病名)・・・入院中に複数の傷病に対して治療を行った場合、医療資源(人や物など)を最も投入した傷病名を選択する。選択された傷病名をもとに診療報酬の決定や医療の質の検討(同じ傷病名の患者で入院日数や治療内容にばらつきがないかなど)を行う。

入院契機・・・入院のきっかけとなった傷病名。

・当院では、「DIC(播種性血管内凝固症候群)」、「その他の真菌症」が医療資源病名に選択された患者はいませんでした。

・敗血症(はいけつしょう)は、感染症にかかった際に全身に炎症が及び、自分自身の臓器にまで障害を及ぼしてしまう状態のことです。当院では入院時に敗血症と診断されていた患者が16人です。尿路感染症や肺炎などの感染症をきっかけとして入院し、その後敗血症に移行した患者が20人です。

・手術・処置の合併症は、医療資源病名と入院契機が同一の患者が68人でした。合併症の主な内訳はカテーテル関連の感染症が22人、人工関節の脱臼・ゆるみ13人などです。

※症例数が10未満は‐(ハイフン)表示をしています。
更新履歴
2020.9.28
新規作成