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埼玉協同病院 年報 2014年 VOL.27(通巻第29号)

し、限局する例と広範囲に及ぶ例など様々である
ことが分かった。

8.結語

 USにて石灰化を描出するには、MMGを見な
がらおよその位置を推測し検査を行うことが重要
であり、今後はMRIも含めた広がり診断を行う
際にも位置のズレの検討が必要である。
 また、CNBやST-MMTの選択をする際に
は、USで石灰化が捉えられていても麻酔や圧迫
により病変部が描出困難になる可能性があるので、
低エコー域を形成しているパターンはUS下CN
Bor MMT、正常乳腺内や描出困難なパターンは
ST-MMTの選択が望ましいと考える。

【引用・参考文献】

1)マンモグラフィ技術編
2)乳房超音波診断ガイドライン
3)乳癌取り扱い規約第16版
4)実践乳房超音波診断
5)臨床と病理のための乳腺疾患アトラス

〈図5〉

⑥描出不可(図6)
 MMGを参照し、注意深く観察したが、USで
描出できなかった症例である。病理では腔内に微
細石灰化を生じるコメド型のDCISで、胞体内
に粘液産生がやや豊富な部分がみられた。

〈図6〉

7.考察

 今回の検討で微小円形・集簇性石灰化を呈す
る病変は、USでは低エコー域を伴うechogenic
spotとして描出されることが多く、正常乳腺内の
石灰化もUSにて描出可能であるが、MMGを観
察しながら位置を推測しないと描出困難であるこ
とが分かった。
 また、USで石灰化が捉えられていても、圧迫
により病変部が描出困難になる可能性があること
も分かった。
 病理結果に関しては、微小円形石灰化を形成す
る病変は分泌型の石灰化が多く、MPやDCIS

(篩状)が多い。また、病変部は石灰化部分に一致