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患者さんの早期回復を願い手術を陰で支える

専門医シリーズ43
畔栁 綾
プロフィール
<認定資格>
日本麻酔科学会専門医・認定医・指導医
日本専門医機構認定麻酔科専門医
日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医
日本区域麻酔学会認定医・指導医
麻酔科標榜医
<経歴>
2000年、東京女子医科大学卒業。同大学病院に所属しながら、
2011年より非常勤で埼玉協同病院麻酔科に勤務。
2020年より常勤。
2013~15年、NTT東日本関東病院ペインクリニックで専門研修。
日本麻酔科学会麻酔科専門医・認定医・指導医、
日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医
地域の急性期医療に貢献する埼玉協同病院において、人工関節手術やがん手術などさまざまな手術に欠かせないのが、麻酔科の医師です。麻酔科部長で手術室室長を務める畔栁綾 医師は、痛みがなく安心安全な手術のため、今日も手術室に立ち、患者を見守っています。
患者さんの全身状態を管理

「麻酔科医の仕事は、手術のために単に患者さんを麻酔薬で眠らせるだけではありません。手術中、常に患者のそばにいて、血圧や心拍数、呼吸状態といったバイタルサインや脳波を最新のデバイスを用いてチェックしながら、痛みが抑えられているか、手術のストレスを受けていないかなど患者さんの体に何が起きているのかに注意しています。そして、手術後患者さんがなるべく爽やかに目覚められるようサポートしています」
と柔らかな語り口で話す畔栁医師は、緊急手術を含む多様な手術の全身麻酔と術後の痛みを抑えるための硬膜下外麻酔、神経ブロックを担当しています。
「麻酔の種類や量も人それぞれ異なるので、患者さんの体重、年齢、持病などを考慮しながら、最適なものを選択する必要があります。順調にいけば問題ありませんが、不測の事態が起きれば命に直結する厳しい仕事です」
それゆえに、日頃から常に勉強しトレーニングを重ね、手術の準備を入念にしながら、もし計画通りにいかなくても別の手段で行えるように整えておくことが大事だと言います。
「手術室の中では、主に薬剤師、看護師、臨床工学技士とチームになって仕事をしています。お互いをプロとして尊重しているので、意見を言いやすく、信頼し合いながら同じ目標に向かっている雰囲気がとてもいいです」
定期的に手術室会議や手術室運営会議を行い、新しい情報をアップデートしながら、チームの意思疎通を図っているそうです。
患者さんを陰で支えたいから
産婦人科医だった父親の背中を見て、医師の道を選んだ畔栁医師ですが、数ある選択肢のうち麻酔科を選んだのは、学生時代の実習で手術風景を見たことだと言います。
「それまでは手術は外科医の仕事だと思っていたのですが、手術中患者さんの頭のところに麻酔科医が立っていて、モニターを見ながら指示を出したりしている姿に興味をもちました」
目立つ存在ではないけれど、患者さんの一番近くで手術を支える麻酔科医の存在に惹かれていったそうです。
「麻酔科医としては、術中、術後を通して痛みがなるべくなく、速やかに回復して1日でも早く家に帰れるように、患者さんを陰で支えてあげられるような存在になりたいと思っています」
術後の痛みをコントロール
畔栁医師は、手術の他にペインクリニックも担当し、痛みに悩む患者さんと向き合っています。
「特に胸の手術などをした人の中には、痛みを長く抱えてしまう場合があります。早期に痛みを和らげる方が慢性痛に移行しにくいので、『手術疼痛管理チーム』という麻酔科医や薬剤師、看護師のチームが、術後の痛みをチェックし、早めに対処しています」
埼玉協同病院では今年4月から無痛(麻酔)分娩を開始しましたが、このきっかけを作ったのも畔栁医師です。
「小児科もHCUも備えた中規模の病院で、麻酔分娩をしている病院が少ないので、この病院で始めたらいいのでは、と考え提案しました」
出産する人の気持ちを思いやる畔栁医師自身も、2人の息子さんの母親です。
「どのような背景や状況の患者さんでも、必要で安心な医療を提供することが、埼玉協同病院のいいところですので、気軽に受診に来てください」
と言う優しい笑顔が印象的でした。
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