院内部門医療被ばくについて

被ばく(人体に対する影響)

放射線検査を行うための大原則

正当化

正当化とは、X線検査を受けることによる利益がX線被ばくによる影響よりも上回っていなければならないこと。

最適化

最適化とは、診断あるいは治療上の要求を満たすだけでなく、患者さんのX線量を少なくする最善の方法を選択すること。

被ばくによる影響

放射線による人体への影響は、確定的影響と確率的影響の2つに区分されます。

確定的影響

ある決まった線量以上の放射線を受けた場合に生じる影響です。この決まった線量を”しきい線量”と呼び、”しきい線量”を越えた放射線を受けた場合でないと身体に影響はありません。
もし仮に”しきい線量”を越えた放射線を受けた場合でも、必ず身体に影響が発生するわけではなく、放射線量の増加と共に発生する可能性が増加します。また、受けた放射線の量が多ければ多いほど、より大きな影響となります。脱毛や不妊などがこの影響に分類されます。

主な確定的影響としきい線量

被ばく部位 影響 線量(mGy)
生殖腺(男) 永久不妊 3500 ~ 6000
生殖腺(女) 一時不妊 650 ~ 1500
永久不妊 2500 ~ 6000
水晶体 白内障 2000 ~ 10000
水晶体混濁 500 ~ 2000
骨髄 造血機能低下 500

ICRP Publ.103

確率的影響

一定量の放射線を受けたとしても必ず影響が現れるわけではなく、被ばく線量の増加とともに人体に影響が現れる確率が高まる現象です。
受けた放射線の量が多くなったとしても発生の確率は高まりますが、症状が重くなるわけではありません。確率的影響として癌や白血病が挙げられます。
100mSvの被ばくで癌による死亡率が約0.5%高まるとされていますが、これ以下の被ばくでは発癌の心配はほとんどないと考えられています。

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