委員会・チーム医療緩和ケアチーム

緩和ケアチームのめざすもの

病気にかかると、痛み、息苦しい、吐き気がする等の身体の症状だけでなく、不眠・不安感や気分の落ち込み、仕事や収入など社会的な困難、心のつらさなど、さまざまな苦しみに悩まされます。それは、がんに限られたことではありません。
わたしたち緩和ケアチームは医師/看護師/薬剤師/管理栄養士/リハビリ科/社会福祉士など多職種が集まって知恵を出し合い、患者さんとその御家族、担当医師等の医療介護職に協力して病気によって生じる苦しみを和らげていきます。

がんの緩和ケア

厚生労働省は 「がん対策推進基本計画(平成24年6月閣議決定)」において「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」を重点的に取り組むべき課題と位置付けています。がん治療のどの段階においても、困ったときに相談できるのが緩和ケアチームです。例えば、こんな気がかりです・・・

  • がんの告知を受けたときの精神的ショックや今後の不安
  • 治療方針の選択についての不安、状況収集、セカンドオピニオンの希望
  • 仕事と治療の両立の難しさ
  • 治療の副作用やがんの症状への対処による治療継続負担
  • どのように生きていきたいかの相談(アドバンス・ケア・プランニング)
  • 治療方針の変更、積極的治療終了についての悩み
  • がん治療終了後の療養、生活の悩み
  • 在宅医療や緩和ケア病棟申し込みなど制度の難しさ

がん以外の疾患の緩和ケア

慢性心不全、慢性呼吸器疾患などの臓器障害の患者さんは、治療経過が長く、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、年齢と共に病状が進行していきます。身体の症状だけでなく、慢性疾患ゆえの不安や生活のしづらさなど、様々な問題に対して一緒に考え、どのように生きていきたいかの相談をさせていただきます。

緩和ケアチームの活動

  • 緩和ケアを必要とする患者の把握を行い、毎週木曜日に多職種で緩和ケア回診を行っています。
  • 患者・家族の希望にそって緩和ケア病棟への転科や在宅療養への移行を支援しています。
  • 緩和ケアに関する学習会や、医療・介護職向けの緩和ケア研修会を開催し、緩和ケアの普及に努めています。
  • 日本緩和医療学会に埼玉協同病院緩和ケアチーム登録をしています。

緩和ケアチームメンバー

医師:3名
看護師:4名
(緩和ケア認定看護師 2名)
(がん性疼痛看護認定看護師 1名)
薬剤師:2名
医療ソーシャルワーカー:1名
リハビリテーション専門職:1名
管理栄養士:1名
医療事務:1名

緩和ケア病棟のご紹介

緩和ケアチーム入院患者対象コンサルテーション実績

年度 2021 2020 2019
年間依頼件数 56 53 44
区分 がん 51 51 41
非がん 5 2 3
依頼時の依頼内容
(複数選択可、述べ件数)
疼痛 43 44 29
疼痛以外の身体症状 25 24 21
精神症状 16 17 13
家族ケア 5 9 10
倫理的問題(鎮静、意思決定支援など) 1 4 4
地域との連携・退院支援 10 9 10
その他 1 1 0
全身状態の指標

日常生活の制限の程度
0:無症状で社会活動ができ、発症前と同等にふるまえる 1 0 2
1:軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働は可能 12 8 4
2:歩行や身の回りのことはできるが時に介助が必要。1日の50%以上は起居 12 10 8
3:身の回りのことはある程度できるが、しばしば介助が必要。1日の50%以上は就床 19 14 14
4:身の回りのこともできず、常に介助が要り、終日就床である 17 19 13

※がん患者のみ

緩和ケア研修会の報告

  • 2013年2月23.24日開催 修了者:14名(医師・歯科医師14名)
  • 2014年9月27.28日開催 修了者:15名(医師・歯科医師7名、それ以外の職種8名)
  • 2016年11月19.20日開催 修了者:18名(医師・歯科医師12名、それ以外の職種6名)
  • 2019年4月21日開催 修了者:37名(医師・歯科医師20名、それ以外の職種17名)
  • 2022年4月23日開催 修了者:14名(医師・歯科医師 8名、それ以外の職種 6名)

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