当院は、組合員の出資金で運営されています。ご利用いただく方には皆様に医療生協へのご加入をお願いしております。
1口1,000円からご加入いただけます。
概要
埼玉協同病院薬剤科では、「私たちは、安全な薬を安心・納得して使える社会をつくるために働きます。」という部門理念のもと、薬剤師28名(常勤27名、非常勤1名)と薬剤助手3名が働いています。
当院では全ての病棟に担当薬剤師を配置し、入院患者さんへの処方調剤、服薬指導、病院全体の薬品の管理を行っています。また病院内の各種医療チームに薬剤師が参加し、チーム医療に積極的に貢献するようにしています。
さらに外来患者さんに対しては、抗癌剤治療を受けている方への指導や副作用の聞き取り、また手術を予定している方に対しての手術前中止薬の確認などを行っています。
当院では薬剤師が専門性を発揮し、活躍できる場が多くあります。
セクション紹介
ひらく
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調剤室
調剤室では主に入院患者さんに処方された医薬品の調剤、監査をしており、処方件数は1日150件程です。全自動錠剤分包機や散剤監査システムの導入により、業務の効率化や正確性の向上が図られています。薬剤師は処方内容に問題がないか(肝・腎機能、用法・用量、飲み合わせ、副作用など)を確認し、疑問点があれば医師に問い合わせを行い適切な薬物療法の支援をしています。
注射室
注射室では1日約500件以上の注射指示をもとに、注射薬の調剤をしています。
『注射薬自動払出システム』の導入により業務が効率化し、取り揃えミスの防止にも繋がっています。また、患者さんの体重や肝・腎機能等を確認し、処方内容に問題がないか(投与量、投与経路、投与速度、配合変化、相互作用など)の監査を行っています。
化学療法室
化学療法室には専従の薬剤師を配置しており、安全な治療の実現に大きく貢献しています。入院して治療を受ける患者さんはもちろん、外来化学療法室で通院治療を受ける患者さんも含めて全ての治療に薬剤師が寄与しています。治療コースの設定や、投与量・投与スケジュールの確認、患者さんへの説明指導、副作用の早期発見など、薬剤師が安全な治療を支えています。また、抗がん剤は環境曝露のリスクが非常に高いため、薬剤師が特殊な装置(アイソレーター)を用いて調製しています。
手術室
2019年より手術室に担当薬剤師を配置しました。手術室では向精神薬や医療用麻薬、毒薬など厳重な管理を要する医薬品が頻繁に扱われています。そのため、薬剤師を配置して医薬品の安全管理と適正使用の推進に貢献しています。
救急室
救急室には薬剤師を配置し、救急で用いられる医薬品の適切かつ迅速な使用、また看護師・医師の負担を軽減することによる救急車・急病の患者の積極的な受け入れに貢献しています。
救急で対応中の患者さんが入院となる場合には、入院前の内服状況を本人・ご家族、お薬手帳や薬剤情報提供書などで確認したり、医師と治療内容・必要な薬剤についての検討などをしています。また中毒時の対応、緊急気管挿管時に使用する鎮静薬の調製をはじめとする挿管介助、救急カートの常備薬点検などの救急室の環境整備を行っています。
医薬品情報(Drug Information;DI)室
医薬品情報管理業務
医療スタッフからの質問に回答する以外にも、最新の医薬品情報を収集、評価、管理し、患者さんや医療スタッフに発信することで医薬品の適正使用を推進しています。毎月『DIニュース』を発行し、院内や近隣の医療機関に配信しています。
その他にも、医薬品の採用や採用中止、医薬品の適正使用の評価を行っています。国内外の医薬品の最新の情報から看過できない副反応報告が見られた場合は採用薬の見直しを行うこともあります。加えて、薬剤科内で新薬評価を行い、新薬の有効性、安全性、経済性について議論する機会を設けています。
また、当院では後発医薬品(ジェネリック)の導入を積極的に行っています。
プレアボイド報告業務
プレアボイドとは、薬剤師が薬物療法に直接関与し、患者さんの不利益を回避又は軽減した事例のことです。当院は日本病院薬剤師会が定める「プレアボイド報告施設」であり、プレアボイド報告を収集・情報共有して同様の事例を未然に防げるようにしています。
副作用情報の収集と報告
医薬品による副作用が生じた際は経過の確認と検討をし、厚生労働省や製薬企業だけでなく、全日本民医連副作用モニターへ報告しています。また、収集した副作用情報はDIニュースを用いて医療スタッフにフィードバックしています。
製剤室
製剤室では院内製剤を調製しています。「院内製剤」とは病院内で使用するために調製される薬剤のことです。市販の医薬品では対応できない個別のニーズに対して、院内製剤を用いることがあります。
当院で調製している主な院内製剤にはSADBE液、血清点眼液、トブラシン吸入液、トレチノインナノエッグクリーム、フェノールグリセリン注射液、ブレオ注射液、ボスミン液5000倍、リドカインクリーム、ルゴール液、レボチロキシンNa坐薬などがあります。
病棟業務
当院では1994年から院外処方箋の発行を積極的に行っており、外来の患者さんには院外薬局をご利用いただいております。その分、全病棟に配置されている担当の薬剤師は、病棟で業務を行う時間を確保しています。主な業務は以下の通りです。
- 入院時の持参薬の確認、患者さんからの情報収集(薬歴、アレルギー歴、副作用歴など)
- 患者さんの症状や副作用の聴取、適切な薬物療法の提案
- 薬物投与前の相互作用の確認、腎・肝機能を考慮した投与量の提案
- ハイリスク薬や自己注射薬、吸入薬などに関する詳細な説明と指導
- 医療スタッフへの医薬品情報提供
- チーム医療への参加
ポリファーマシーへの取り組み
当院ではポリファーマシーの削減に意欲的に取り組んでいます。
ポリファーマシーとは、多剤併用に関連して有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下などの問題につながる状態を言います。特に高齢者では、複数の医療機関から薬を処方されてポリファーマシーとなっている場合があります。これは有害事象のリスクを高めるだけで無く、患者さんの負担(管理が大変、薬代がかかる)にも繋がります。
この問題に対し、当院では処方の適正化やアドヒアランス向上のために薬剤師が積極的に介入しています。入院中の薬剤の変更内容に関する情報はお薬手帳シールや退院時薬剤情報提供書を通して他の医療機関へ提供し、退院後も適切な薬物治療が継続されるよう努めています。
外来業務
薬剤師術前外来
2020年8月より薬剤師術前外来を開始しました。手術を予定している患者さんを対象として、使用中の薬剤の聞き取りをしています。安全に手術を行うために、事前に中止すべき薬の指示が出ているか、患者さんが中止すべき薬を把握しているか、薬の飲み合わせに問題がないかなどの確認をしています。薬剤師が介入することで、薬による手術への影響や入院後のトラブルを未然に防いでいます。
特殊な薬剤の指導
多発性骨髄腫治療薬のレブラミド、ポマリストやアトピー性皮膚炎治療薬のデュピクセントなど、特殊な薬剤を使用する患者さんに対しては外来においても薬剤師が介入し、薬に関する指導をしています。
専門・認定等
ひらく
ひらく
専門・認定薬剤師
日本病院薬剤師会 認定指導薬剤師 |
日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療認定薬剤師 |
日本臨床栄養代謝学会 栄養サポートチーム専門療法士 |
日本臨床栄養協会 サプリメントアドバイザー |
日本薬剤師研修センター 認定実務実習指導薬剤師 |
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師 |
日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師 |
日本病院会 診療情報管理士 |
日本糖尿病療養指導士認定機構 糖尿病療養指導士 |
日本禁煙科学会 禁煙支援士 |
日本緩和医療薬学会 緩和薬物療法認定薬剤師 |
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 |
日本アンチ・ドーピング機構 公認スポーツファーマシスト |
埼玉県糖尿病協会 埼玉県糖尿病相談員 |
埼玉県肝炎コーディネーター |
薬剤師出身大学一覧
金沢大学、北里大学、慶應大学、静岡県立大学、城西大学、城西国際大学、昭和大学、昭和薬科大学、帝京平成大学、東京薬科大学、東邦大学、東北医科薬科大学、富山大学、日本大学、日本薬科大学、星薬科大学、武蔵野大学、明治薬科大学
当院で働く薬剤師より
「やる気次第で何事にも挑戦できる環境があります」 7年目 薬剤師
当院では全病棟に薬剤師が常駐し、各種カンファレンスへの参加や他職種を対象とした学習会の開催等、薬剤師もチーム医療の一翼を担っています。近年では特にポリファーマシーの問題に着目し、保険薬局との薬-薬連携を強化しています。これにより、患者さんの通院・入院・在宅の各ステージにおいてシームレスな薬物療法を提供できるよう努めています。
一方、新卒薬剤師や薬学生といった次世代を担う薬剤師の育成にも注力しています。私自身当院にて実務実習を行いましたが、病棟業務や手術見学等、臨床現場に多く触れさせて頂いたことが印象的でした。研修期間から病棟業務を経験することで、基礎を養いつつ患者さんの薬物治療に携わる責任感がより一層育まれます。やる気次第で何事にも挑戦できる環境は当院薬剤科の強みです。
「奨学生の仲間との交流が今に活きています」 10年目 薬剤師
私は大学1年生の冬に奨学生になりました。奨学生制度を知ったきっかけは、母が持ち帰った奨学生募集の案内でした。元々、かかりつけとして子どもの頃から受診していた事もあり、よく見知った病院ということもあって応募しました。
奨学生になってからは、様々な学習会や交流会に参加しました。入職する前から理念や情勢の勉強ができることもそうですが、それ以上に将来一緒に働く事になる他職種の仲間と交流でき、その交流が今でも活きている事は大きなメリットであったと感じています。
「『患者想いの病院』で、信頼される薬剤師であり続けたい」 20年目 薬剤師
病院薬剤師に憧れ、当院での実習で『患者想いの病院』という印象を受け、就職を決意しました。
3年間の病院勤務後に異動した診療所では、終末期の患者さんや地域の組合員との関わりの中で、薬剤師としてできる在宅医療や保健予防活動について学び、経験できました。現在は回復期リハビリ病棟や老健施設の担当をしています。超高齢社会における地域連携に薬剤師の関わりが必須であること、ポリファーマシーの解消や在宅での薬物治療の質を向上するためにやれること、やるべきことがたくさんあることを実感しています。
また、感染症治療に興味を持ち、認定薬剤師の資格を取得しました。結婚や出産といった環境変化の中で仕事と育児の両立は大変ですが、同じ境遇の仲間と励まし合い、そして何より職場の仲間の理解があるから、今でも続けることができています。
当院のやりがいは、自分の考えや想いを言える場があり、業務改善ができることです。聴いてくれる、そして一緒に悩んでくれる仲間がいる。これからもそんな仲間と共に患者や医療スタッフから信頼される薬剤師であり続けたいです。
がん外来化学療法
ひらく
ひらく
こちらのページでは、当院で実施されているがん薬物療法の情報を公開しています
最終更新 2023.3月
消化器(外科・内科)レジメン
乳腺外科レジメン
血液内科レジメン
泌尿器科レジメン
準備中
その他のレジメン
薬-薬連携
ひらく
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薬-薬連携(がん薬物療法分野)情報
当院ではがん薬物療法分野における病-薬連携を進めています
「がん薬物療法モニタリングシート」
外来化学療法室では薬剤師が服薬援助を実施した場合に、「がん薬物療法モニタリングシート」を発行し副作用の状況や薬剤の変更点などの情報をお薬手帳に貼付しています。
「トレーシングレポート」
2020年より病院薬剤師-保険薬局薬剤師が連携をとり、外来がん化学療法の質の向上のための総合的な取組としてがん薬物療法におけるトレーシングレポートの運用を開始しました。保険薬局の薬剤師が患者さんの自宅での副作用等の状況を確認し、トレーシングレポートを用いて、保険薬局薬剤師・病院薬剤師・主治医が連携し、ご自宅での患者の状況をフォローしています。
トレーシングレポートによる情報伝達は疑義照会とは異なります。
緊急性のあるものは通常通りの対応でお願いします。
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