診療科・専門外来・院内部門 整形外科・関節治療センター
関節治療センター
センター長、整形外科主任部長
仁平高太郎
2018年4⽉ 1⽇から関節治療センターを開設しました。
関節治療センターでは⼈⼯関節手術とともに、⼿術によらない新しい関節治療である再⽣医療を⼆本の柱として治療してまいります。
膝・股関節の人工関節手術は21世紀において最も成功した手術と言われ、安全性・確実性に優れた手術です。その中でも当院では、更なる正確性を目指し、ナビゲーションシステムをはじめ、3D骨モデルの作成など全国に先駆けた最先端の技術を導入し、国内でも有数な症例数を誇る、全国から手術研修の医師が来られる病院に成長いたしました。
また、関節治療に対する再⽣医療は、厚生労働省の認可が必要であり、脂肪・血液(PRP)・軟骨を利用して、関節痛を改善させる3つの再生医療を提供できる総合病院は極めて希少です。
患者満足度の高い手術治療、更に、⼿術によらない新しい関節治療である再⽣医療も先駆的に導入し、全ての関節痛の患者様にご満足頂けるセンターを目指して参ります。
患者様の状態、使用する人工関節の機種に合わせて、最適な手術支援ロボットを選択できる全国でも数少ない病院です。3機種ともに埼玉県内では初の導入施設であり、ロボット導入を検討する病院の教育施設として指導も行っております。
ロボットは大きく分けて3 タイプあり、ロボティックアーム型(Mako System/Stryker 社), カッティングバー型(CORI/NAVIO◊ system/Smith & Nephew 社), 骨切ガイド誘導型(ROSA knee system/Zimmer-Biomet 社)と、それぞれ特徴や持ち味が異なります。
これらを使い分け、熟練した人工関節専門医の技術に、さらにロボットの正確性・安全性というアシストを入れることで、誰もが安心して安全な手術を受けられるよう努めております。
次世代型ロボット手術支援システム(NAVIOの次世代機)
2021年導入(前世代のNAVIOは2019年導入済)
CORIの特徴
先代2019年に導入した人工関節置換術に使用する次世代型赤外線誘導式手術支援ロボットNAVIOがさらに進化しました。術前のCT画像をベースに制御を行う人工股関節手術ロボットでは不可能であった軟骨部分を術中に赤外線カメラで認識し、関節の表面形状を詳細に読み取るだけでなく、膝関節の屈伸時の動きも全可動域で認識することで、その患者さんの筋肉や靭帯のバランスを考慮して、最適な状態で人工関節を挿入することが可能となります。患者さん固有の状態に合わせたいわゆるオーダーメイドな人工関節の挿入です。
特に、通常は切除してしまうことが多かった前十字靭帯を温存する手術の時に最大限威力を発揮することから、活動性は高いものの、膝痛が強くUKA(人工膝単顆関節置換術)やBCR-TKA(靭帯温存型人工膝関節置換術)の手術を受けられる患者さんにとって、さらに自然な膝を作り出し、より高い安定性とADL動作が期待できます。
ロボット手術の設計図となる3D画像
骨を削るロボットアーム
2021年導入
Makoの特徴
Makoは、日本で初めて承認された整形外科におけるロボティックアーム手術支援システムで、2017年10月に人工股関節全置換術で、2019年4月に人工膝関節全置換術で薬事承認を取得しています。世界では、股関節と膝関節をあわせて累計20万例以上の人工関節置換術でMakoが使われています。事前にCT検査を行い、骨格画像から3次元モデルを作成し、どの程度骨を削り、どうコンポーネントを設置するか術前計画を立てると、操作するロボティックアームは、術前計画通りの設置となるよう自動的に制御するため、ヒューマンエラーを最小限にし、ひとり一人の患者さんに0.5ミリ、0.5度単位で調整しながら、最適な位置と角度で人工関節を設置し、安全で正確な手術が可能になります。Makoを用いることによって、人工関節の設置精度の向上や人工股関節置換術後の脱臼リスク低減、脚長差の補正などに威力を発揮し、患者さんの満足度の向上などのメリットが期待できます。
2021年導入
ROSAの特徴
「ROSA」は、2007年にフランスで開発された神経外科領域・整形外科領域の手術支援ロボットです。なかでも人工膝関節置換術のプログラムを組み込んだ「ROSA Kneeシステム」は、最新型のロボット支援によるナビゲーションシステムであり、軟部組織のバランス調整や大腿骨回旋位決定などを術者の通常手技に近い感覚のまま行うことが可能であり、その中で骨切りの角度やインプラントの設置位置などを0.5°、0.5mmといった細かい単位で術中に微調整し、正確な手術を可能とします。また、術中に蓄積されたデータが患者さんの満足度向上につながるようサポートできる機能がさまざまに備えられています。
関節治療センターの3つの特徴
関節治療センター
副センター長、整形外科部長
桑沢綾乃
関節痛で悩まれる方は全国に1000万人以上、潜在的に軟骨が減少されている方は3000万人ともいわれて、下肢の関節症は国民病とも言われております。痛みがある生活は動作に支障を来たし、気持ちもネガティブになります。我々はそんな関節痛を少しでも改善させるお手伝いを様々な角度からできないかと、この度、関節治療センターを設立致しました。人工関節のみ、再生医療のみを薦めるのではなく、患者様の意思、ライフスタイルも尊重し、より多くの治療選択ができる機関を目指しております。
人工関節手術は、患者様に寄り添い、喜んで頂けるよう、低侵襲で正確な手術、痛みのない手術にも力を入れて取り組んでおります。手術というと沢山の心配はあるかと思いますが、変形のない新しい脚で痛みなく生活できる喜びは、清水の舞台を飛び降りるだけの価値がある治療です。
再生医療も、多くの選択肢がご提示できるよう、脂肪由来幹細胞移植やPRP療法など取り揃えております。関節変形の進行予防に、また手術に躊躇ちゅうちょされている方にも、関節の炎症を改善し、痛みの大幅な軽減が期待できる新たな治療です。
どちらも、どうぞ悩まずにご相談下さい。
月~金 午前8時10分~午前11時20分まで(土は予約のみ)
総合受付にて受付しております。
休診日は、日曜祭日・第2土曜日です。
整形外科外来では、土曜日に限り当日受付を中止し、完全予約制にさせて頂きました。患者様には大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解とご協力の程よろしくお願い致します。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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午前 | 仁平 (膝・股関節) 丸木 青松 ![]() (再生医療) (膝・股関節) |
遠藤 (手の外科) 古関 船尾(脊椎) |
古関 小林 木原 |
仁平 (膝・股関節) 小林 小粥(脊椎) 丸木 坪田 |
遠藤 (手の外科) 後藤 西島 |
![]() (第1・3) (腫瘍) ![]() |
午後 | ![]() (再生医療) ![]() (人工関節) |
![]() (人工関節) (第1・3・5) |
![]() (膝関節) ![]() |
![]() (手の外科) ![]() (手の外科) |
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夜間 |
※午後外来・土曜日外来は予約制です。
※日曜日・祝日の他、第2土曜日が休診となりますのでご注意ください。
2018年2月23日(金)・24日(土)の両日、東京(東京国際フォーラム)で第48回日本人工関節学会が開催され、当院の整形外科医師によるセミナーが、連日行われました。
2018年2月23日 ランチョン・セミナー6
「人工関節手術の術後トラブルゼロ、満足度100%を目指して」
埼玉協同病院 整形外科副部長 桑沢 綾乃
2018年2月24日 ランチョン・セミナー11
「Challenge for ZERO Complications
-人工関節置換術における合併症低減の工夫とデバイスの役割-」
埼玉協同病院 整形外科部長 仁平高太郎
JOSCAS(日本関節鏡・膝・スポーツ学会、札幌)にて、桑沢医師が「Oxford UKA における高圧炭酸ガス洗浄(CarboJetTM)を使用したセメントテクニックの有用性と術後脛骨側 radiolucent line の検討」という演題名で人工膝関節手術に関して学会発表を行ないました。
日刊ゲンダイの紙面にて仁平医師が外傷の初期治療に関して記事を執筆しました。
桑沢医師が台湾整形外科学会のランチョンセミナーの講師として招待され、人工膝関節手術について講演を行ないました。
2017年3月発行の「いい病院」(朝日新聞出版社発行)で人工関節手術数が公表されました。人工股関節は日本国内8位、人工膝関節は関東10位の手術件数とランキングされました。
TBS「元気のカプセル」に仁平医師が出演し、股関節疾患について解説しました。
第47回日本人工関節学界にて「Schanz骨切り後のTHA10例の検討」、「寛骨臼回転骨切り術後の人工股関節置換術」の2つの演題を桑沢医師が発表しました。
当院は整形外科医師の為の、人工関節手術ラーニングセンターに認定されております。昨年は、11病院の整形外科 医師が見学に訪れました。
フジテレビ”バイキング”に仁平医師が生出演し、整形外科疾患について説明しました。
TBSテレビ“ひるおび”に仁平医師が生出演し、変形性股関節症に関する説明を行いました。
読売新聞社の平成26年10月20日発行「病院の実力」に人工関節治療に実績のある病院として掲載されました。[PDF:709KB]
読売新聞紙上にて人工関節手術実績数が掲載されました。
埼玉県内において、人工股関節が1位、膝関節が3位、総数で2位と案内されました。
第31回埼玉県医学会にて、北村医師が「信仰上輸血拒否患者に対する人工股関節手術の経験」、遠藤医師が「人工股関節手術後の当日歩行の試み」との演題名にて学会発表を行いました。
第44回人工関節学会にて、「高齢者におけるModular Dual Mobility Hip System の使用経験」がポスターにて当院から学会発表を行いました。
当院ふれあい会館にて人工股関節手術を受けられた患者様を対象に仁平部長の講演が行われました。当院にて手術を受けた約150名の方が集い、それぞれの入院したときの仲間にも会え、盛況でした。
金曜日第3診外来担当医師(慶応大学から派遣)が海苔医師から大橋医師に変更になりました。
横尾医師がご自身の医院設立準備のため、常勤から非常勤となります。
遠藤医師が第30回埼玉県医学会にて「距骨骨壊死に対する有茎血管柄付き腓骨移植を施行した1例」という演題名で学会発表しました。
当院ふれあい会館にて人工膝関節手術を受けられた患者様を対象に仁平部長の講演が行われました。当院にて手術を受けた約150名の方が参加され、大盛況でした。
遠藤医師が平成24年4月1日付けで大田原赤十字病院から赴任しました。
関根医師が平成24年4月1日付けで埼玉医大国際医療センターへ赴任致しました。
讀賣文化センター主催による、人工関節手術に関しての講演会が仁平部長により行われた。(浦和パインズホテル)
平成24年1月発行の「病院新時代」(株)カレット編に当院整形外科がとりあげられました。
当院で施行した人工股関節手術の患者さんを対象とした、仁平部長より講演会が行われました。人工関節手術後の患者さんの参加者が150名を超え大盛況と講演会となりました。
病院の実力2011(讀賣新聞医療情報部編)に当院の人工関節手術がとりあげられました。
単位:件
※ 横にスクロール出来ます。
単位:件
2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | ||
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整形外科手術件数 | 726 | 811 | 806 | 953 | 1060 | 1169 | 1380 | 1469 | 1462 | 1584 | |
人工関節手術 (全例 専門医による) |
人工股関節 手術 |
151 | 234 | 211 | 338 | 352 | 345 | 443 | 426 | 463 | 443 |
人工膝関節 手術 |
93 | 121 | 160 | 192 | 227 | 256 | 330 | 529 | 485 | 491 | |
合計 | 244 | 358 | 371 | 530 | 579 | 601 | 773 | 955 | 948 | 934 | |
脊椎手術 | 41 | 44 | 50 | 62 | 71 | 84 | 121 | 68 | 89 | 84 |
種類 | 内容 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |
ASC療法 (脂肪肝細胞移植) |
腹部もしくは大腿部の脂肪を採取、精製し脂肪肝細胞を培養(6w)その後関節注射、6ヶ月後に2回目投与。効果はAPS,PRPより高い。 ■適応 変形性股関節症 変形性膝関節症 |
57件 | 45件 | 9件 | |
PRP療法 (血液) |
APS 関節内注射 |
自身の血液から抽出したPRP(血小板を多く含んでいる成分)を更に再精製し純度を高め、濃縮した溶液を関節に注射。 効果はPRPよりも高い。 ■適応 変形性股関節症 変形性膝関節症 |
134件 | 269件 | 118件 |
GPSⅢ 関節外注射 |
自身の血液から抽出したPRP(血小板を多く含んでいる成分)を腱鞘・筋肉内・関節内に注射。 ■適応 腱鞘炎 変形性股関節症 変形性膝関節症 |
2件 | 3件 | 1件 | |
PFC-FD療法 (血液) |
自身の血液から抽出した修復因子を濃縮、無細胞化し、成長因子だけを抽出。フリーズドライなので常温で6ヶ月の長期保管可能。 関節注射するときに溶解する |
15件 | 3件 | 5件 |
組合員価格(税込) | 一般(税込) | ||
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脂肪由来幹細胞 | 片側2回(1キット) | 104万円 | 105万円 |
両側1回(1キット) | 104万円 | 105万円 | |
両側2回(2キット) | 168万円 | 169万円 | |
PRP | APS(片側) | 23万円 | 24万円 |
APS(両側) | 46万円 | 47万円 | |
PRP(片側) | 3.5万円 | 4万円 | |
PFC-FD | 片側 | 13万円 | 15.6万円 |
両側 | 21万円 | 25.2万円 |
仁平 高太郎 [ 主任部長 ]
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 日本リウマチ学会 専門医 日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医 日本整形外科学会 認定スポーツ医 日本整形外科学会 認定リウマチ医 日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医 |
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経 歴 |
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桑沢 綾乃 [ 部長 ]
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 日本リウマチ学会 専門医 日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医 日本整形外科学会 認定スポーツ医 日本整形外科学会 認定リウマチ医 日本人工関節学会評議委員 |
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経 歴 |
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遠藤 大輔 [ 医長 ]
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 | ||||||||
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経 歴 |
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丸木 千陽美 [ 医員 ]
認定資格 | 日本整形外科学会 整形外科専門医 | ||||||
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経 歴 |
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小林 啓郎 [ 非常勤 ]
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 日本整形外科学会 認定スポーツ医 日本整形外科学会 認定リウマチ医 日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医 |
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経 歴 |
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後藤 晋 [ 非常勤 ]
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 日本整形外科学会 認定スポーツ医 |
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経 歴 |
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森岡 秀夫 [ 非常勤 ] 骨軟部腫瘍担当
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 日本整形外科学会 リウマチ認定医 日本整形外科学会 脊椎脊髄病認定医 |
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経 歴 |
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小粥 博樹 [ 非常勤 ] 脊椎担当
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 | ||
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経 歴 |
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岡崎 真人 [ 非常勤 ] 上肢担当
認定資格 | 日本整形外科学会 専門医 | ||||
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経 歴 |
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ナビゲーション
システムによる
確実な設置
特殊防御服を着用しての
人工関節手術風景
人工股関節手術後
3D-templateによる正確な作図
3Dテンプレーティングシステム
術中に靱帯バランスを
計測調整
通常の人工膝関節(TKA)
傷んだ内側だけを部分的に置換する
人工膝関節(UKA)
前十字靱帯を温存するBCR-TKA手術
トカゲのしっぽが切り離されてもまた伸びてくるのは有名ですが、人間にも、もともと「再生する力」があります。関節の再生医療とは、変形性関節症や外傷で失ってしまった機能を、いわゆる“化合物”である薬で治療するのではなく、ご自身のからだの「再生する力」を利用して、修復を目指す医療のことです。自分の血液、脂肪等の自分由来の組織を使用するので、拒絶反応、副作用がなく安全性が非常に高い治療です。
関節の変形自体こそ直すことは出来ませんが、手術を行うことなく、関節の炎症や関節痛の大幅な軽減が期待できるため、まず試してみたいという方も多くいらっしゃいます。
脂肪由来幹細胞
脂肪組織採取
軟骨培養で作成した
軟骨シート
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