2018年11月3日に報道各社より、BCGワクチンの専用溶解液から厚生労働省が認可しているヒ素の検出基準値を超える0.039μgのヒ素が検出されたとの報道がありました。
国の調査会より、2008年から専用溶解液にヒ素が含まれていたものと考えられますが、検出されたヒ素は極微量のため、「安全性において問題ない」と確認されました。そのため現在流通しているワクチンについても回収は行わないとしています。
ヒ素を一生涯毎日曝露し続けても健康上問題とならない量は、体重5~10kgで1.5μg~3μgとなっており、今回のワクチン接種による曝露量はこの量よりも少ないです。
ワクチンを製造している日本ビーシージー製造株式会社は、新たな製品の出荷を予定しており、12月下旬以降には新しい製品を接種することが可能となります。従って現在流通しているワクチンは安全性には問題ないと厚労省から報告されておりますが、現在予約の入っている患者様におきましては、基準に適合した製品が入荷する1月以降への予約変更をお願いしております。
日本ビーシージー製造株式会社ホームページに詳細な情報が掲載されていますのでそちらも併せてご確認お願い致します。
www.bcg.gr.jp
<参考情報>
ヒ素は土壌や水中に存在しているため飲料水や食品にも微量のヒ素は含まれています。そのため私たちは毎日の食事からヒ素を摂取していることになります。
日本人の毎日の食事に含まれるヒ素の量は、体重1kgあたり0.36~0.46μgとされています。
【参考文献】
医薬品規制調和国際会議の医薬品の元素不純物ガイドライン(ICH Q3D)
EVALUATION OF CERTAIN CONTAMINANTS IN FOOD: Seventy-second report of the Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives
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