院内部門緊急検査室

生化学検査

生化学検査は、血液を構成する液体成分(血清)の検査です。肝機能や腎機能、脂質などの成分を自動分析装置を用いて定量測定しています。また、健康診断後のフォローや透析前後の血液管理など幅広い検査に対応しています。測定機器は『キャノン TBA-2000FR』を用いています。外来と病棟の検体を合わせて、約300検体の測定を日々行っています。

【TBA-2000FR】

測定項目一覧

TBA-2000FR
TP ALB 総ビリルビン 間接ビリルビン AST
ALT CK LD ALP γ-GT
ChE 総コレステロール TG HDLコレステロール LDLコレステロール
UA BUN CRE Na K
Cl AMY CRP Ca IP
CK-MB プレアルブミン Zn Mg 尿Na
尿K 尿Cl 尿BUN 尿CRE 尿蛋白

主な生化学項目の説明

TP(総蛋白質) 血液中の蛋白濃度を調べます。
Alb(アルブミン)
A/G比
T-Bil(総ビリルビン) 肝炎、肝硬変、胆のう疾患など肝臓・胆のうの状態を調べます。
上昇の仕方によって障害の程度なども判断しています。
D-Bil(直接ビリルビン)
AST(GOT)
ALT(GPT)
LD(LDH)
ALP
γ-GTP
AMY(アミラーゼ) 膵臓の状態を調べます。
尿AMY
BUN(尿素窒素) 腎機能評価のための検査です。
CRE(クレアチニン)
CK 筋肉、心筋の障害の有無を調べます。
Na(ナトリウム) 電解質です。生命活動の調節に重要です。
K(カリウム)
Cl(クロール)
T-Cho(総コレステロール) 肥満や動脈硬化に関する脂質の検査です。
TG(中性脂肪)
HDLコレステロール
LDLコレステロール
CRP 炎症性病変の存在とその程度を調べます。

免疫検査

免疫血清検査は、2台の機器を用いて検査をしています。
『富士レビオ ルミパルスG1200』では、甲状腺項目やBNP、血中薬剤濃度の測定や感染症の項目(HCV抗体、HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、TP、HIV)また、新型コロナ抗原定量検査も迅速に測定しています。
『ラジオメーター製 AQT90』では、トロポニンIなどを測定しています。

【ルミパルスG1200】

【AQT90】

測定項目一覧

ルミパルス
TSH FT3 FT4 BNP KL-6
SARS-CoV-2抗原 HCV抗体 HBs抗原 HBs抗体 HBc抗体
TP HIV ジゴキシン バルプロ酸 テオフィリン
バンコマイシン
AQT90
トロポニンI プロカルシトニン NT-proBNP βHCG

主な項目の説明

TSH 甲状腺の機能を判断するための指標です。
FT3
FT4
BNP 心臓の異常を判断するための指標です。
NT-proBNP
トロポニンI 心筋マーカーです。
プロカルシトニン 敗血症マーカーです。

血液・凝固線溶検査

血液検査では、貧血、白血病、出血傾向などのある血液疾患や その他、感染症、悪性腫瘍、肝疾患、腎疾患、代謝異常症、膠原病などあらゆる全身性疾患のスクリーニングとして検査を行なっています。
血液検査では『シスメックス 多項目自動血球分析装置XR-1000』を2台使用しており、凝固線溶検査では『LSIメディエンス 血液凝固分析装置STACIA CN10』を使用しています。血液検査では機械にて検査した後、血液塗抹標本作成、メイグリンワルド・ギムザ染色後、顕微鏡にて鏡検を行います。

血液検査

【XR-1000】

測定項目

血算

WBC RBC Hb
Ht MCV MCH
MCHC PLT RET

白血球分類

NEUT LYMP MONO
EO BASO

血算測定

貧血や炎症の度合いを見ています。機械と顕微鏡等併用して検査しています。

  • RBC(赤血球):貧血で低下します。
  • Hb(ヘモグロビン):体中に酸素を運ぶ役割を担っています。
  • Ht(ヘマトクリット):血液中の赤血球の全容積の割合です。
  • WBC(白血球):体の防御機構です。炎症や感染症等で上昇します。
  • PLT(血小板):止血で働く血球です。減少すると出血しやすくなります

白血球像写真

凝固・線溶検査

【STACIA CN10】

測定項目
PT APTT FDP
Dダイマー Fbg AT
TAT

凝固

血液の固まりやすさ等を見ています。薬剤のコントロールにも用いられます。

  • PT:血液の固まりやすさの指標です。ワーファリン等で調整されます。
  • APTT:血液の固まりやすさの指標です。ヘパリン等で調整されます。
  • Fib(フィブリノゲン):止血、血栓形成に使われます。炎症で増加します。

一般検査

当院における一般検査は、尿・体腔液(髄液・腹水・胸水・関節液)・精液などの検査を行っています。各種どのような検査を行うのかご紹介致します。

尿検査

尿定性検査は、尿にどのような成分が含まれているのか調べる検査です。全自動分析装置(栄研化学US3500)を用いて行っています。

尿定性検査の主な測定項目
白血球 亜硝酸塩 ウロビリノーゲン
潜血 尿糖 ビリルビン
ケトン体 外観 蛋白質

【US-3500】

【尿試験紙判定基準】

尿沈渣検査は、尿の有形成分を調べる検査です。尿の沈殿した成分を顕微鏡で調べる方法と全自動分析装置(sysmex UF5000)で調べる方法を組み合わせて行っています。

尿沈渣検査の主な項目
白血球 赤血球 上皮系細胞
円柱類 細菌 結晶類

【UF-5000】

沈渣顕微鏡写真

血糖・ヘモグロビンA1c

糖尿病の早期発見・治療に欠かすことのできない検査です。測定機器はアークレイGA-1171、GA-8181を使用しています。また、血糖値は食事の影響を受けますが、ヘモグロビンA1cは食事の影響を受けることなく過去1~2ヶ月の平均血糖値を調べることができます。

【GA-1171】

【HA-8181】

穿刺液検査

*腹・胸水
腹・胸水が貯留した要因が炎症によるものか、炎症以外によるものか調べます。

*髄液
髄液は栄養を補給したり老廃物を排除する働きと、脳や神経を保護する役目があります。脳や脊髄の病気や異常などで髄液に変化がみられ、この検査により病気の診断・治療・予後を判定します。

*関節液
関節がスムーズに動くよう潤滑液の働きをする液体です。液中に見られた結晶が痛風による炎症か、偽通風によるものかを調べる検査です。

精液検査

男性不妊症の診断・治療に重要な検査です。

迅速キット検査

検査所要時間3分~10分の迅速検査です。

RS A群溶連菌 妊娠反応
インフルエンザ 尿中肺炎球菌 hMPV
ロタ・アデノ 尿中レジオネラ抗原

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