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専門医シリーズ30

女性の一生に寄り添って支えていく

専門医シリーズ 30

芳賀 厚子 医師

プロフィール●

〈経歴〉1989年 弘前大学医学部卒、1989年 埼玉協同病院勤務

〈資格〉日本産科婦人科学会専門医、日本臨床細胞診専門医

思春期から老年期まで、女性のからだの変化やライフステージに応じた診療を行う、埼玉協同病院産婦人科。「複雑な背景を抱え、孤立する妊婦さんがふえている」と語る芳賀医師に、仕事への想いをうかがいました。

思春期から老年期まで、さまざまな女性が訪れる

「私は、産婦人科医の仕事を愛しています。でも、なかなか手ごわい仕事なので、一生片思いのままかもしれません」と笑う、芳賀医師。現在、一日に対応する患者さんは30人弱。外来では婦人科疾患の診療や妊婦さんの検診、病棟では婦人科疾患の術後や切迫早産の患者さんの診察、分娩、中絶手術など、思春期から更年期、老年期まで、さまざまな社会的背景をもった患者さんと向き合っています。
「産婦人科医として、自分はまだまだ力不足だと感じることがあります。治療や妊娠の管理、患者さんとのやりとりなど、もっといい対応やケアの仕方があったんじゃないか、と。葛藤ばかりの日々ですが、それでもやっぱり、地域で女性たちの一生に寄り添い、支えていく、すばらしい仕事だと思っています」

社会的に失われた患者さんの権利を守りたい

芳賀医師が埼玉協同病院に入職したのは、医学部を卒業した1989年。入職した日から今日まで、一貫して埼玉協同病院で働いています。産婦人科医を目指そうと考えるようになったきっかけは、医学部2年のときに読んだ、『リハビリテーションを考える 障害者の全人間的復権』(著・上田敏、青木書店)という本でした。
「リハビリテーションとは、社会的に失われた患者さんの権利を取り戻すこと」という内容に大いに共感し、「自分もそういう仕事がしたいと強く思いました」と、大学時代をふり返ります。
その後、医学生ゼミナールで障害児のリハビリテーションに関わりながら、子どもの発達について学び、最終的には、子どもを妊娠・出産し、育てていく“親”に関心を持ち、産婦人科の医師になろうと決意しました。

子育て中の親の孤立を地域で防ぐために

秋田県出身で弘前大学に通っていた芳賀医師が、埼玉協同病院で働こうと考えたのはなぜでしょう。
「患者さんの権利を守ろうと、さまざまな努力をしている民医連の病院に、大学時代から信頼を感じていました」と話す、芳賀医師。当時、埼玉協同病院で実習をする機会があり、「組合員さんたちの活動や要求が、きちんと医療に反映されているのを目の当たりにし、すばらしい、と心を動かされました」と、埼玉協同病院を就職先に選んだ理由を語ります。
芳賀医師は、長年埼玉協同病院で働きながら、社会的に複雑な背景を抱えた、たくさんの妊婦さんと出会ってきました。妊婦さんの中には、望んだ妊娠ではない人もいます。近年では、まわりに相談できる人や頼る人がおらず、妊婦さんがより一層孤立している傾向があるといいます。
「中絶ができない時期に受診し、貧困などの理由で、出産しても育てられない場合、産まれた赤ちゃんがどこでどうやって育つのか。そして、お母さんがその後の人生をどんなふうに歩んでいくのかを一緒に考え、支援できるよう、積極的に関わります。
また、身寄りもなく、経済的に困窮している中で子育てをする人には保健センターや市の子育て支援課と連携して、孤立しないようにケアしたり、子ども食堂などの施設やNPO団体を紹介したりして、地域みんなで支援できるように力を入れています」

受診をきっかけに、人生を見直してほしい

さまざまな理由から社会的に立場の弱い女性が、妊娠や出産で孤立すると、世間とのつながりは、ますます遠のいてしまいそうです。
「妊娠したあなたが悪いんでしょ、と世間から突き放されたとしても、『あなたが妊娠して産婦人科を受診したから、私たちはあなたの人生に関わることができるんですよ』、と伝えます」と言葉に力をこめる、芳賀医師。
余計なお世話でもおせっかいでもいい。とことん関わっていく芳賀医師や病院スタッフのサポートで、社会とのつながりを見出し、新たな人生を歩めるようになる方もいるといいます。
さいごに、芳賀医師がこれからの医療で実践したいことを聞いてみました。
「まず、産婦人科の受診しづらさを解消したいですね。出血や痛みがかなりひどいのに、仕事の忙しさや経済的な問題で受診をがまんしてしまう女性がたくさんいます。がまんを重ねた結果、輸血が必要になるほどの状態になり、救急車で病院に運ばれてくることもあります。
自分の健康不安を後回しにせず、異変を感じたら、すぐに受診してほしい。そして、受診したことをきっかけに、困りごとや不安を解消し、自分の人生をもう一度見直してほしい。女性の人生を支えるパートナーとして、私はこれからもおせっかいを続けていきたいと思います」