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手の治療は患者さんに真摯に向き合うことから
専門医シリーズ34
遠藤 大輔 医師
プロフィール
<認定資格>日本整形外科学会 専門医
<経歴>2008年3月 滋賀医科大学 医学部卒業、2008年4月 埼玉協同病院にて勤務、2011年4月 大田原赤十字病院に研修出向、2012年4月~ 埼玉協同病院にて勤務
老若男女問わず人生で長く、そして毎日使う「手」。機能も、見た目も、手に関するさまざまな困りごとに真摯に向き合う遠藤医師。その歩みをうかがいました。
専門は「手」
埼玉協同病院で16年、遠藤医師の専門は「手」です。
「専門は手外科です。手外科は、指や手のさまざまな怪我や病気の治療を行っています。いま埼玉協同病院には肩の専門医がいないので、私は手、肘、肩まで含めて診ています」
手は第2の脳とも言われ、人の行動に密接に関わっています。症状も幅広いと言います。
「手の怪我、しびれ、動きの悪さなど症状はさまざまです。多いのは『ばね指(腱鞘炎)』ですね。また、手根管症候群といって、手首から手のひらの正中神経が傷んで力が入りにくい、痺れるという症状のご相談もあります。こちらは更年期の女性に特に多い症状です」
ブラックジャックへの憧れ
遠藤医師は静岡県生まれ。ご両親の都合で、子ども時代は各地を転々としました。
「静岡、千葉、新潟、埼玉、滋賀。どこが地元ですか?と聞かれるのが一番困りますね(笑)」
医師を目指したのは中学3年生の頃でした。
「あの手塚治虫さんの医療漫画『ブラック・ジャック』にのめり込みました。漫画の登場人物一人ひとりにドラマがあって面白い。すっかり憧れて、中学3年生の進路指導の場で『医学部を目指します』と言いました」
大学は滋賀医科大学の医学部に。そして卒業後、埼玉協同病院に入職します。
忘れられない人工関節手術
整形外科医として歩み始めたこのとき、ひとつの転機がおとずれます。埼玉協同病院・関節治療センターの仁平医師との出会いだと言います。
「仁平先生の関節手術に助手として立ち会いました。その時に目にした早くて的確な手術。本当にすごいな…と。整形外科医になろうと思いました」
整形外科医になって最初に受け持った人工関節手術はいまだに忘れられないそうです。
「初めての執刀医ですから、ブラックジャックになった瞬間ですね。もちろん免許はもっていましたが(笑)。手術後、患者さんがリハビリを経て退院していく姿に感動しました。患者さんが元気になる。これは嬉しい。なにものにも代えがたいです」
手を専門にしたい
もうひとつの転機は、大田原赤十字病院に研修のため出向したことでした。
「その病院は手の骨折や指の再接着など、外科的な処置を行う病院でした。手術件数も術式も多く、とてもやりがいがありました。研修を終えて埼玉協同病院に帰ったとき、仁平先生に『手をやりたい』と伝えたのです」
手外科の魅力のひとつに、術式のレパートリーの多さがあると言います。
「私は子どもの頃から機械いじりが大好きで、高校生のときにパソコンを組み立てていました。大学生以降は車いじり。周りからは『病院では医療器具を持って、家に帰ってはスパナにペンチを持つ』と冗談を言われていましたが…(笑)。そうした性分ですから、症例が多く、術式の多い手外科は自分にあっていると思います」
患者さんに真摯に向き合う
そんな遠藤医師ですが、患者さんへの向き合い方にはこだわりがあります。
「患者さんに真摯に向き合うこと。症状を聞いて、原因を丁寧に説明する。そして納得していただけるように治療方針を伝えます。手術は患者さんの立場からすれば抵抗がありますから、薬による治療、装具の装着など、手術をせずに治療できるなら、そちらをおすすめします。仮に手術が必要になったときも、患者さんの理解と納得が絶対に必要です」
患者さんのために新しい情報にも貪欲です。
「学会誌をはじめとして、情報を得るためにアンテナを常にはっています。治療方法や術式。情報を早く得て、それが本当に患者さんにとって良いものかどうか慎重に検討し、そしておすすめしています」
Hand surgery D.Endo
家に帰れば3人の子どものお父さんです。
「僕は野球が大好きなんです。私の名前の『大輔』はかつてのヤクルトスワローズの荒木大輔さんからいただいたものだと父が言っていました。休みがあれば、ドライブにいきたい、野球もゴルフもしたい。やりたいことはいっぱいですが、時間がないですね。子どもの勉強をみたり、世話をしています」
そう笑いながら語る遠藤医師。肩に「Hand surgery D.Endo」と刺繍された白衣に袖を通し、今日も患者さんの治療にあたります。
【患者さんへの一言メッセージ】
手はもっとも使う器官です。そして顔の次に人に見られる場所。手が服で隠れてる人は多くないですからね。機能、見た目のお困りごとがありましたら、ぜひ一度、お声がけください。
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