専門医シリーズ

患者さんの困りごとを全て引き受けたい

専門医シリーズ42

山田 歩美

プロフィール

<認定資格>
日本内科学会総合内科専門医
日本プライマリ・ケア連合学会 認定家庭医療専門医
日本プライマリ・ケア連合学会 認定指導医
<経歴>
2008年 東京女子医科大学 医学部卒業
2008年 埼玉協同病院勤務

ふれあい生協病院では、患者さんの抱えるさまざまな健康上の問題を包括的に診る「総合診療」に力を入れています。昨年7月に院長に就任した山田歩美医師は、総合内科専門医・家庭医療専門医として、地域の人々が気軽に受診できるような病院づくりを目指しています。

何でも診られる医師に なりたくて

埼玉民医連の奨学生として大学で6年間を過ごした山田歩美医師は、2008 年初期研修医として埼玉協同病院で働きはじめました。
「埼玉協同病院では、専門性を身につけている医師が“何でも診る”というスタンスで、外来も病棟診療もしていました。そうした姿を見ながら一緒に仕事をするなかで、専門性を身につけるだけでなく、病院にきた患者さんを“何でも診る”ような医師になりたいと思いました」と、総合診療医・家庭医を選んだ理由を話します。
埼玉協同病院からもほど近い見沼田んぼの辺りで生まれ育った山田医師。子どものころは毎日虫取りをするのが日課だったと言います。
「カブトムシを捕まえて卵を孵化させたり、カエルやカマキリを卵から育てたり、を毎年やっていましたね」
将来は何か生き物に関わりたいと思っていた小学校4年生の時、人の生命を書いた本を読み、医者の道に進みたいと思うようになったそうです。

話を聞き患者さんと伴走する

前職がさいわい診療所所長だった山田医師ですが、昨年からふれあい生協病院の院長になり、大きな変化を感じているそうです。
「患者さんや職員の人数が少ない診療所では、毎日のように顔を合わせて会話できますし、患者さんについても職員みんなが認識できる環境でした。一方、病院は規模が大きいので、そういうわけにはいきません。ですから、一緒に働いている人たちみんなでこの地域をどう支えていくか、視点を変えて取り組みたいなと思っています。もちろん、一人ひとりの患者さんの話をじっくりと聞き、継続的に関わり、信頼関係を築き、伴走していく姿勢は変わりません」
特に、患者さんが話しやすい雰囲気づくりを意識しているそうです。
「困って病院に来た患者さんには、困りごとの解決が大切ですが、慢性疾患で落ち着いている状態の患者さんが定期的に来る場合には、この間の出来事を聞くようにしています。内容は年齢によって違いますが、例えば90 歳で一人暮らしの人には、無事に暮らせて、歩いて病院に来られていることがすごいことです。高齢になるとできないことが増え、あちこち痛くなってくるので、患者さんもできないことばかりを探し出して、だんだん気持ちも抑うつ的になってしまう。今できていることを探すようにしています」

困ったときに頼れる 病院づくりを

山田医師は院長就任後も、地域包括ケア病棟で患者と向き合っています。「診療所では外来の患者さんと、訪問する終末期患者さんを診ていました。今回、急性期病棟から一旦落ち着いて、家に帰る前の患者さんが加わることになって、回復までの経過も診られるようになったことはやりがいの一つです。かつて診療所で診ていた患者さんが回復していく過程に立ち会えるし、日常生活や言動など新たな発見もあります」
全国の病院をみても、女性が院長をつとめる例は多くありません。
「これまで、職場で、女性である不利益や働きにくさを感じてはいませんが、院長の立場になった今、次の世代のためにも、誰もが働きやすい環境を整備していきたいです」
開業して3年になるふれあい生協病院。その指揮を執る山田医師は、家庭でも幼児と小学生の子どもを抱え、大忙しの毎日ですが、今日もより良い病院づくりのため奔走しています。

【患者さんへの メッセージ】
紹介状なしでもかかれる、困った時にはいつでも頼ってもらえるような、病院をつくっていきたいと思っていますので、期待していてください

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